約 707,367 件
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1774.html
未投下 前へ 目次へ戻る 次へ 1週間後 坂本「やぁっ!!」ヒュン! 俺「おおおぉッ!!」シャン! キィン! 俺「くっ・・・」ゼェゼェ 坂本「どうした、腰が引けているぞ。それとも、真剣では恐いか?」 来たるべき戦いに備え、俺は坂本と稽古に打ち込んでいた。 何故二人が真剣で打ち合っているか。事は5日前にさかのぼる。 ~5日前~ ---基地内ラウンジ--- それはラジオへ耳を傾けていた時であった。 ラジオの声《・・・依然、絶望病患者数は増加の一途を辿っており、政府も対応に追われています。》 ラジオの声《現在、世界規模で地上型の超小型ネウロイの出現が多数確認されています。》 ラジオの声《それに伴い、現在、連合国軍総司令部から緊急外出禁止令が発令されおります。》 ラジオの声《該当のネウロイ出現地域にお住まいの方はくれぐれも外出は控えるようにしてください。》 ミーナ「これも・・・彼の言っていた母なるものの影響かしらね・・・」 坂本「ああ・・・それに、その話にかこつけて妙な思想も出てきたそうじゃないか・・・」 ゲルト「終末思想とかいう話か・・・それなら私も新聞で見たな。」 エーリカ「バッカみたい。そんな事あたしらがさせないっての。」 シャーリー「ま、わからない気はしないけどな・・・こんだけおかしな事が起きてりゃ、そりゃ不安にもなるって・・・」 ミーナ「そうね。一般の人たちはこの事を知らないものね・・・」 その時だった。 ラジオの声「では、次のニュー・・・ザザ…ザザザ…」 突然ラジオの声にノイズが混ざり始める。 坂本「どうした?故障か?」 ゲルト「妙だな・・・」 ラジオの声《ザザ…皆様、ごきげんよう。》 俺「この声!?」 芳佳「確か、イヴって人の・・・」 ラジオからは突然、グレゴリの1人であるイヴの声が聞こえてきた。 ラジオの声《人間は今、憎悪の連鎖と将来の不安とが循環する目に見えない牢獄の囚われとなっています。》 ラジオの声《しかし、今世界は私たちを新たなステージへと引き上げる存在が訪れようとしている。》 ラジオの声《私は、その力・・・ネウロイの力とその真実に触れ、一足先にその力の一部を獲得しました。》 エイラ「コイツら・・・何言ってるんダ・・・?」 ラジオの声《そして、その力を得て私は確信しました。ネウロイの訪れは、全ての人間、いや、生きとし生ける者は全てにとっての救いであると。》 リーネ「ネウロイが救いだなんて・・・」 ペリーヌ「全くの真逆ですわ!」 ラジオの声《私はこれより、ネウロイの母たる存在の来訪を、より確かなものとするため、約束の地へと赴きます。》 ラジオの声《彼の者が訪れれば、全てのものが皆等しく救済されます。今は来るべき時に思いを馳せ、その日を待つだけでいい・・・》 ラジオの声《何も心配する事はありません、待つ事のみが、唯一の正しい選択なのだから。》 ラジオの声《同士諸氏よ、私と共にその日を待とうではありませんか!》 ラジオの声「ザザ・・・ザザ・・・ザー・・・」 ミーナ「・・・・・」 ゲルト「どうやら、妙な思想の原因はこいつらのようだな・・・」 ルッキーニ「シャーリー・・・」 シャーリー「大丈夫だ、ルッキーニ。みんなが居るんだからさ。」 坂本「しかし・・・なかなか尻尾を出さないと思ったらこんなところで出てくるとはな・・・」 サーニャ「あの人たちとも・・・戦わなくちゃいけないんでしょうか・・・」 ミーナ「そうね・・・彼女たちにとって私たちは障害でしかないわ。・・・最悪、彼女達とも戦わなきゃいけなくなるわね・・・」 全員が押し黙る。 俺「その時は・・・」 その沈黙を、俺の言葉が破った。 俺「その時は、俺があいつらを倒します。」 ・・・ ・・・ ・・・ ~現在~ 俺「・・・・・」チキッ… 坂本「はぁっ!」ブン! 俺「おおおお!!」シャン! キィン トサッ 刀が宙を舞い、地面へと突き刺さる。 坂本「勝負ありだな。」フォン 俺の喉元に刀を突きたてる坂本。 坂本「やはり、死闘の場において相手を殺さずに勝利を得ることなど不可能だ。わかっただろう?」 俺「分かってます、そんなこと・・・それでも・・・」 坂本「・・・?」 俺「それでも、俺はやります。たとえそれで、俺が死んだとしても。必ず。」 坂本に真剣な眼差しを向ける俺。 坂本「・・・お前の覚悟は分かった。私も最後まで付き合おう。だが、二度と死ぬという言葉は口にするなよ。いいな。」 俺「はいっス。」 坂本「では、もう一度だ。」 俺「よろしくお願いします!」 それから相次ぐネウロイの侵攻と、訓練の日々を経て決戦の前日を迎える。 決戦前夜 ---ブリーフィングルーム--- ミーナ「それでは、明日の最終作戦についてのブリーフィングを行います。」 ミーナ「明日、我々人類連合側は全ての統合戦闘団と各国の主力艦隊を結集し、北海海上に現れたあの塔で、ネウロイの元凶・・・母なるものを迎え撃ちます。」 ペリーヌ「全てって・・・その間、空いた場所の防衛はどうするんですの!?」 ミーナ「ええ・・・その間、苦しいでしょうけれど、各国が保有するウィッチの総力を持って防衛に当たるよう連合国側からの命令が出ているわ。」 エーリカ「そうしなきゃ、本当に世界がなくなっちゃうもんね・・・」 ペリーヌ「・・・・・」 坂本「大丈夫だペリーヌ。お前の祖国のウィッチたちは強い。それとも、お前は仲間を信じられないのか?」 ペリーヌ「! そう、ですわね・・・少佐のおっしゃる通りですわ。ありがとうございます、少佐。」 坂本「うむ。では、続けてくれ、ミーナ。」 ミーナ「ええ。先ほど言ったように全統合戦闘団と、各国の主力艦隊が今、北海へと進路を向けてすでに集まろうとしています。」 ミーナ「我々も明日、この基地からブリタニア連邦の航空戦艦、『ライオン』へ搭乗。そのまま例の塔へと向かいます。」 ミーナ「その後はストライカーで塔の頂上へと行き、そこで母なるものが現れるまで待機。母なるものの出現後、可能な限りの戦力を用い、これの討伐に当たります。」 ミーナ「これが明日決行される最終作戦、オペレーション『ラグナロク』です。」 ミーナ「決して失敗の許されない作戦です。失敗すれば、世界が滅びます。」 シャーリー「ガリアやロマーニャの時よりも規模が大きいな・・・」 ゲルト「どうしたリベリアン?今頃怖くなったか?」 シャーリー「怖いっちゃ、怖いな。でも、もう引き下がる気はないよ!」 ゲルト「当然だ!」 ミーナ「何があっても、明日で全てに決着がつきます。」 ミーナ「必ず・・・必ず勝つわよ!」 全員「了解!!」 芳佳「あ、あの!一ついいですか!」 ルッキーニ「どしたの芳佳?」 芳佳「みんなに渡したいものがあるんです。これなんですけど・・・」 そう言って宮藤は机にそれを並べる。 俺「リボン・・・?」 それはピンク色のリボンであった。数はしっかり12人分ある。 芳佳「あの時、僕さんが言ってましたよね、もし勝ったとしてもこの一年間の記憶は消えちゃうかもしれないって・・・」 リーネ「そっか・・・そういえば・・・」 芳佳「だから、坂本さんと考えたんです。この一年間の事を思い出せるきっかけが、何かあればなって。」 エイラ「それでこのリボンってわけカ。」 芳佳「はい。これを体のどこかにつけておけば、それを見たときに思い出せるんじゃないかって思うんです。」 ミーナ「いい考えね。みんなもどうかしら?」 ルッキーニ「さんせー!」 シャーリー「いいな、それ!」 満場一致で、宮藤の提案通り、皆リボンをつけることになった。 ゲルト「こ、こんな感じか?」 エーリカ「うん。トゥルーデ似合ってるぅ~」 シャーリー「ここをこうしてっと・・・どうだ、ルッキーニ?」キュッ ルッキーニ「ばっちし!にひー!」ニッコリ 各々がリボンをつけ終わる。 坂本「そうだ、前に果たせなかった約束をもう一度しよう。」 ペリーヌ「約束・・・ですか?」 坂本「ああ、花見だ。戦いが終わったら扶桑でみんなで花見をしよう。このリボンがあれば、この約束もきっと思い出せるはずだ。」 芳佳「そうですね!今度こそ約束です!」 坂本「日にちも決めなければな・・・桜が咲くころだと・・・4月の初めあたりか・・・」 ミーナ「あら、素敵ね。みんなは大丈夫そうかしら?問題がなかったら、私がみんなで一緒に扶桑へ行けるよう戦いが終わった後に連絡を入れておくけど・・・」 エイラ「どうする、サーニャ?」 サーニャ「うん。桜、見てみたいし、私も行くわ。」 エイラ「でも、お父さんとお母さんのことはどうするんダヨ?」 サーニャ「扶桑とオラーシャはそれなりに近いし、お父様とお母様もきっと生きてるから・・・だから、大丈夫。」 エイラ「そ、そっか・・・」 ミーナ「特にないみたいね。じゃあ、連絡しておくわね。」 坂本「すまんな、ミーナ。苦労を掛ける。」 ミーナ「前も言ったでしょう。もう慣れっこよ。」ニコ 芳佳「あの、それで場所はどうするんですか?」 坂本「横須賀でいいだろう。近くに花見に最適の場所がある。」 ミーナ「それじゃあ、このリボンは常につけていましょう。何があっても、絶対にはずす事の無いように。」 皆、一様に頷く。誓いのリボンが、より一層、皆の絆を深めた。 夜 ---エイラ&サーニャの部屋--- 俺、エイラ、サーニャの3人はインディアンポーカーに興じていた。ハートやダイヤなどのマークや色を使用しない、数字だけで勝負する簡単な形式だ。 俺「エイラ、かえた方がいいんじゃないっスか?その札、多分今日一番で最弱っスよ。」 エイラ「ヘン!お前なんかに騙されるかヨ!私は変えないかんナ。」 サーニャ「私も、かえた方がいいと思う。」 エイラ「さ、サーニャが言うならしょーがねーナ・・・」 渋々カードを捨てるエイラ。 エイラ「キング・・・ってやっぱり一番強かったじゃないカー!!」 俺「ははは!!これで勝ちはいただきっス。」 サーニャ「ごめんね、エイラ・・・」 エイラ「うぅ・・・くそぉ・・・」ペラッ エイラはもう一度カードを引き直し、カードを見ないようにしながら額へ当てる。 サーニャ「俺も、かえた方がいいと思う。」 俺「あはは、残念、俺はその手には引っかからないっス。このまま勝負するっスよ。」 エイラ「後悔すんなよナー」 俺「じゃあいくっスよ・・・せーの!」 三人が同時にカードを見せる。 俺【A】 エイラ【8】 サーニャ【Q】 俺「」 サーニャ「だから言ったのに・・・」 エイラ「ヘヘーン!ザマー見ろ!サーニャを信じないからこうなるんだゾ!」 俺「ぐぬぬ・・・ま、いっか・・・と言うより、こんなことできんのも今日で最後なんスかね・・・」 エイラ「何辛気臭いこと言ってんダヨ。明日も、その先もずっとできるに決まってんダロ。」 サーニャ「俺のそういうところ、良くないわ。」 俺「あはは・・・そっスね、ごめんなさい。」 エイラ「・・・あのさ、俺。オマエ、戦いが終わったらどうするんダ?」 俺「それ、もしかして俺に死亡フラグ立てさせようとしてんスか?」 エイラ「は?ふらぐ?」 俺「なんでもないっス・・・そうっスね・・・今はカールスラント空軍預かりってことになってるから、一度原隊復帰するかもしれないっス。まぁ、すぐに引退しますけど。」 エイラ「あのさ、もし、そのあとやることないんだったら一緒に、サーニャの両親を探さないカ?」 俺「え・・・?・・・俺も、一緒についていっていいんスか?」 サーニャ「一緒に来てほしいの・・・お願い・・・」 エイラ「サーニャも言ってるダロ。だから、ナ。」 俺「・・・そっスね・・・じゃあ、一緒に行かせてもらうっス。なおさら負けられないっスね、明日。」 エイラ「ダナ。じゃあ三人だけの約束ダ。必ず、生きて戻って来ようナ。」スッ サーニャ「うん。」スッ 俺「おうっス!」スッ 三人で手を重ね合う。リボンに新たな誓いが刻まれた。 俺「っと、じゃあ俺はそろそろ部屋戻りますね。」 エイラ「なんダ、もう帰るのカ?」 俺「もうって・・・もうすぐ消灯っス。規則は守らないと。」 エイラ「お前ってヘンなとこ真面目だよナ~」 俺「いや・・・実は、前に抜け出したらバルクホルン大尉にばれちゃって・・・怒られたんスよ・・・」 エイラ「ふーん・・・ま、いいけどサ。」 俺「じゃあ、お邪魔しました。」スクッ サーニャ「あっ・・・」 サーニャが俺を引き留めようと手を伸ばしかける。 俺「? どうかしたっスか?」 サーニャ「ううん・・・なんでもない・・・おやすみなさい・・・」 俺「はい、おやすみなさいっス。また明日。」ニッ ガチャ パタン サーニャ「・・・・・」 サーニャはどこか寂しそうな表情を浮かべている。 エイラ「・・・・・」 ---基地内バルコニー--- 坂本「すまなかったな宮藤・・・お前を連れてきた上に危険な目に合わせてばかりで・・・」 芳佳「謝らないでください、坂本さん。私、後悔なんかしてないです。」 芳佳「むしろ、ここに来てよかったです。みんなと会うこともできたし、なにより、たくさん、素敵な思い出ができましたから。」 坂本「宮藤・・・」 芳佳「だからこそ、明日は負けられません。坂本さんの分も、私、しっかり戦ってきます。」 坂本「・・・はっはっは!!言うようになったじゃないか宮藤!そうだな、お前には私の分もしっかり戦ってもらわないとな。」 芳佳「はい!」 坂本「必ず、生きて扶桑へ帰ろう、宮藤。」 芳佳「はい。」 ---芳佳&リーネ&ペリーヌの部屋--- ペリーヌ「・・・・・」 家宝のレイピアを見つめるペリーヌ。 リーネ「それ、たしかペリーヌさんの家宝の・・・」 ペリーヌ「ええ、大切なレイピアですわ・・・これを見ていると、祖国のことを思い出しますの・・・」 リーネ「ペリーヌさんは、ガリアが本当に大好きなんですね。」 ペリーヌ「もちろんですわ。あなたは、祖国を愛していないのかしら?」 リーネ「いえ・・・私も、ブリタニアは大好きです・・・」 ペリーヌ「そうでしょうね。なら、その愛する祖国を守るためにも、明日は負けられませんこと?」 リーネ「はい・・・絶対に、負けられません・・・勝って、ガリアもブリタニアも、全部平和にしたいです!」 ペリーヌ「ええ。必ず勝って帰りますわよ、私たちの祖国に!」 リーネ「はいっ!」 ペリーヌ「ふふっ・・・さぁ、カモミールを入れて差し上げますわ。よく眠れるように。」 ---ゲルト&エーリカの部屋--- コンコン エーリカ「あ、誰か来た。」 ゲルト「今開ける。」 ガチャ ゲルト「ミーナ?どうした、こんな時間に?」 ミーナ「今日ぐらいあなたたちと一緒に居たいと思って・・・」 エーリカ「入りなよ~」 ミーナ「そうね。お邪魔するわ。」 部屋へと足を踏み入れたミーナの眼前には、半分は綺麗に片づけられ、もう半分はゴミ屋敷と化したような不可思議な光景が広がっていた。 ミーナ「それにしてもフラウ・・・これは少し散らかりすぎね・・・」 ゲルト「掃除させようとしてもすぐどこかへ行ってしまうからな、コイツは・・・」 エーリカ「だってメンドくさいじゃん。」 ミーナ「はぁ・・・あなたは明日の戦いが終わった後、この部屋を掃除ね。」 エーリカ「え~!」 ゲルト「え~じゃない!やるんだ!」 エーリカ「ちぇ~・・・わかりましたよ~」 ミーナ「ふふっ・・・」クスクス ゲルト「? どうした、ミーナ?」 ミーナ「いいえ、フラウに掃除させるためにも、負けられないわね。明日は。」 ゲルト「ははは!そうだな。お前のためにも負けられん。」 エーリカ「え~・・・だったら負けてもいいよ~・・・」 ゲルト「バカをいうなハルトマン!」 エーリカ「冗談だってば・・・それにさ、トゥルーデとも約束したもんね。」 ミーナ「カールスラントの空を、私たちの手で取り戻す。だったわね。」 ゲルト「ああ。むしろうまくいけば世界の空を取り戻せるんだからな。これほどの喜びはない。」 エーリカ「じゃあもっかい約束。あたし達の手で絶対に取り戻そうね。」 ゲルト「ああ!」 ミーナ「ええ、もちろんよ!」 ---シャーリー&ルッキーニの部屋--- ルッキーニ「シャーリー・・・」 シャーリー「どうした、ルッキーニ?」 ルッキーニ「あたし、みんなとお別れしたくない・・・」 シャーリー「どうしたんだ突然?」 ルッキーニ「だって・・・戦いが終わったら、今まであった事・・・忘れちゃうんでしょ?そうなったら・・・」 シャーリー「・・・こっちおいで、ルッキーニ。」 シャーリーはひざの上にルッキーニを座らせる。 シャーリー「大丈夫だぞ、ルッキーニ。私たちにはこのリボンがあるんだ。」 そう言ってシャーリーは手首につけたリボンを見せる。 シャーリー「だから、きっと思い出せる。このリボンは私たちの繋がりの証だ。」 シャーリー「どんなに離れていても、このリボンが私たちを繋ぎとめてくれる。」 シャーリー「それに、お前にはこれもあるだろ?」 そう言って、ルッキーニの首にかけられたゴーグルを持ち上げるシャーリー。 誕生日に受け取って以来、ルッキーニはこのゴーグルを肌身離さず、ずっと首にかけている。 シャーリー「それにな、もしルッキーニが思い出せなかった時は、私が教えてやる。だからなにも心配しなくていいんだぞ。」ナデナデ ルッキーニ「・・・うん。ありがとう、シャーリー。」ギュッ シャーリー「きっと戻って、また一緒に旅しような。」 ルッキーニ「うん・・・!」 深夜 ---エイラ&サーニャの部屋--- すでに消灯時間を迎え、寝床についていた。 エイラ「・・・・・」 サーニャ「・・・・・」 エイラ「・・・なぁ、サーニャ。起きてるカ?」 サーニャ「うん・・・」 エイラ「・・・行かなくていいのか?」 サーニャ「え・・・?」 エイラ「さっき、俺に何か言おうとしてたダロ?伝えに行かなくていいのカ?」 サーニャ「・・・・・」 エイラ「行って来いヨ。モヤモヤしたままだと、眠れないゾ。」 サーニャ「・・・うん。いってくるね・・・」 エイラ「あんま遅くなんなヨ。」 サーニャ「うん。」 ツカツカ カチャ パタン エイラ「・・・・・」 ---俺の部屋--- 俺(寝れないな・・・もう少し、2人と話してたかったな・・・) 俺(ちょっと外の空気でも吸うか・・・) 扉へと歩み、ドアノブに手を掛け扉を開く。 ガチャ サーニャ「っ!」 俺「え・・・さ、サーニャ・・・?」 扉の前にサーニャが立っていた。 サーニャ「・・・・・」 ギュッ 俺「!? ど、どうしたんスか、サーニャ・・・?」 サーニャ「・・・・・」ギュゥ… 俺「・・・とりあえず入ってくださいっス。ココア、淹れますから・・・」 サーニャは無言で頷き、俺に連れられ、部屋へと入る。 俺は彼女をベッドへと腰かけさせ、ココアを手渡す。 俺「熱いから気を付けて・・・」スッ サーニャ「・・・・・」コクリ 一度頷いてからココアを受け取るも、一向に手を付ける様子がない。 俺「だ、大丈夫っスか?熱は・・・」 サーニャの額へ手を当てる。 俺「大丈夫みたいっスね・・・」 その後も手を付ける様子がないので、サーニャからカップを預かり、近くの台の上へ置く。 トサッ 俺「!」 不意にサーニャが俺の肩へ寄りかかった。 サーニャ「俺・・・」 俺「は、はい・・・」 サーニャ「好き・・・」 俺「へ!?あ、いや・・・俺も、大好きっスよ・・・」 サーニャ「お願い・・・いなく・・・ならないで・・・」ギュゥ そのまま俺の腕にしがみ付く。 俺「・・・俺は、どこにも行かないっスよ。」 サーニャ「でも、俺のこと忘れちゃうかもしれない・・・私の中で俺が、どこか行っちゃう・・・それが、怖い・・・」 俺「・・・あはは。嫌だな・・・まだ忘れるって決まったわけじゃな・・・」 サーニャ「・・・・・」 サーニャが健気な瞳を俺へと投げかける。その翡翠色の眼差しの奥で、涙が揺れ動く。 俺「・・・目、瞑ってください。」 言われた通り、サーニャは瞳を閉じる。 それから数瞬の間を挟み、 サーニャ「っ・・・」 唇に、何かが触れた。 そのまま数秒の沈黙が流れる。 ふと、触れていたそれがゆっくりと離れた。 俺「・・・・・」ニコ 瞳を開けば、俺が微笑んでいた。 俺はサーニャの両頬を包むように手を添え、額を軽く、こつりと合わせる。 俺「今のは、俺を忘れないおまじない。これでサーニャは俺の事、忘れないっス。」 サーニャ「・・・・・」 俺「だから大丈夫。何も、心配することはないっス。」 サーニャ「・・・・・」 それでもサーニャの顔が晴れることはなかった。それどころか、揺らいでいた瞳から今にも涙がこぼれ落ちてしまいそうだった。 俺「・・・・・」 チュッ 彼女を慰める術が俺には分からなかった。 今こうして口づけても、この子はきっと悲しいままなのかもしれない。 こんなにも大好きで愛おしいのに、こうするほかに自分には方法が見つからない。そんな自分が情けくて、悔しい。 しばらくして、頃合いをつけ俺が唇を離そうとする。 刹那、 俺「ん!?」 サーニャの唇が、不意に俺の唇を塞いだ。俺が一瞬息苦しそうな表情を浮かべる。 サーニャ「ん・・・」チュッ… それでも構わず、キスを続ける。 やがてキスに熱が入り始める。触れ合うだけだった口づけは、いつしか啄ばむようなキスへと変わり、互いに唇を吸いあう。 チュッ…チュゥ… 上唇と下唇をそれぞれをはむように口づける。その間に互いの指は自然に求め合い、絡まる。 サーニャ「んっ・・・は・・・ぁ・・・ちゅっ・・・」 俺「ん・・・ちゅ・・・ちゅっ・・・」 それからサーニャはもう一度俺に唇を押し付け、舌を口内へと滑り込ませる。 俺「っ!」 彼女の柔らかな舌が俺の舌を撫でる。2人は絡め合っていた手を離し、俺は腰へ、サーニャは首の後ろへと手を回す。 サーニャ「れろ・・・ちゅる・・・はぁ・・・ちゅ・・・」 俺「ちゅ・・・んっ・・・んくっ・・・」 ぎこちないながらも、ゆっくりと、お互いを確かめ合うように舌を動かす。 時折サーニャから漏れる甘い吐息と、舌の柔らかくねっとりとした感触が俺を昂ぶらせる。頭の中が蕩けてしまいそうだった。 もう、何も考えられない。 サーニャ「ちゅく・・・んぅ・・・ちゅっ・・・」 今は・・・今だけは・・・ 俺「・・・ん・・・ふっ・・・ちゅ・・・」 きみに触れていたい・・・ チュルッ… 唇が離れる。 二人の間に名残を惜しむように銀糸が伸び、切れてからベッドの上に滴り落ちる。 息を乱しながら、再び二人は抱擁を交わす。 サーニャ「はむっ・・・」 俺「っ・・・」 肩に頬を預けていたサーニャが、不意に俺の耳朶を食み、舐る。 俺「さ、サーニャ・・・」 サーニャ「ん・・・ちゅ・・・」チュピッ しばらくして食んでいた唇が離れ、サーニャは俺の肩へ再び頬を預ける。 そんな彼女を抱きしめながら、俺は右腕で彼女の髪を撫で続ける。 サーニャ「離れ・・・ないで・・・」 震えた声でただ一言、サーニャが耳元でつぶやいた。 俺「・・・・・」 サーニャ「・・・・・」 見つめ合う二人。それから言葉を交わすことなく、 チュッ… 再び口づけ合う。 手を重ね合わせながら、俺はゆっくりとサーニャを押し倒した―― ―――――― ―――― ―― そして、決戦の日を迎える・・・ 続き→ペルソナ20 -ページ先頭へ
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1608.html
未投下 前へ 目次へ戻る 次へ 夜 10 59 ---基地内廊下--- 俺はエーリカに言われた通りバルコニーへと向かっていた。 俺(さっきエーリカさんなんて言ってた・・・?俺を・・・好き・・・?じゃあなんだ?俺・・・告白されんのか!?) 俺(でも・・・俺には他に好きな人が・・・いや・・・それもどうせ叶わない恋だもんな・・・だったら・・・いや、でも・・・ああもう!) あれこれと考えて居ると、バルコニーの方角から歌声が聞こえてきた。 ♪~♪♪~ 俺(あれ・・・この歌・・・) その歌に誘われるかのように、俺はバルコニーへと足を進めた。 ♪サーニャの歌 11 00 ---基地内バルコニー--- たどり着いたバルコニーに、エーリカの姿はなかった。代わりに、別の少女が一人、天に祈りを捧げるかのように手を胸元で組んで歌っていた。 俺「サーニャ・・・さん・・・?」 サーニャ「♪~・・・? 俺・・・さん?」 バルコニーに居たのは銀色の髪の少女。サーニャであった。 彼女はその身に赤いマフラーと、グレーのコートを纏い、頭にオラーシャ帽を被っていた。 俺「なんで・・・ここに・・・?」 サーニャ「・・・エーリカさんに呼ばれて・・・・・」 俺「そ、そうなんスか・・・俺もなんスよ。」 サーニャ「そう、ですか・・・」 それからしばらく、2人はエーリカを待ち続けた。 ~5分後~ 俺「・・・・・」 サーニャ「・・・・・」 ~10分後~ 俺「・・・クシュン!」 サーニャ「あ、あの、よかったらマフラー・・・」スルリ 俺「あ、あぁ。すみませんっス。お借りするっス・・・」マキマキ ~15分後~ 俺「・・・・・」 サーニャ「・・・・・」 俺(こ、来ねぇ・・・どういうことだってばよ・・・) いくら待ってもエーリカが姿を現すことはなかった。待ち続ける2人の間にも、どこかもどかしい雰囲気が流れていた。 俺(ど、どうしよ・・・とりあえず何か話すか・・・) サーニャ(なにかお話しした方がいい・・・かな・・・) 俺&サーニャ「あ、あの!」 俺&サーニャ「ご、ごめんなさい・・・」 俺&サーニャ「・・・・・」 俺&サーニャ「ふっ・・・」 俺「くくっ・・・ははははは!」 サーニャ「ふふっ・・・」クスクス 俺「ははは・・・なんか、前にもこんなことあったっスよね。」 サーニャ「はい・・・なんだか、おかしいです。ふふっ・・・」 以前、一緒にお菓子を作った時にも同じようなことがあった。その時の事を2人は思い出す。 俺「・・・・・」 サーニャ「・・・・・」 しかし、それからまた会話がなくなってしまった。いざ話そうにも、なかなか続かない。 俺(今・・・他に誰もいないよな・・・) 俺には彼女に伝えたい思いがあった。それは、長い間内に秘めてきた淡い恋心。 俺(でも、サーニャさんにはエイラさんがいるし・・・やっぱり・・・) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 芳佳「確かに、エイラさんはサーニャちゃんのことが好きで、サーニャちゃんもエイラさんの事好きかも知れません!いえ、きっとそうです!」 芳佳「でも、想いも伝えないで諦めたら、それこそそこで試合終了なんじゃないですか!?」ドン! 芳佳「俺さんは頑張るべきです!むしろ当たって砕けろです!!」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 俺(そう・・・だよな・・・どうせ叶わない恋なんだ・・・) 俺(それに、今言わなかったらたぶん俺、一生言わない・・・だったらいっそ、思いを伝えて砕けた方がいいよな・・・) 俺(何も言わないで終わる方が、悔いが残るもんな・・・うっし!) 自身に喝を入れ、彼女に向き直る。 俺「・・・あの、サーニャさん・・・・・」 サーニャ「はい・・・?」 俺「その・・・ありがとうございました。」 サーニャ「?」 俺「俺、ここに来ていろんな思い出ができました。誕生日祝ってもらったり、逆にお祝いしたり、お菓子作ったり、祭り行ったり、お芝居とかもして・・・」 俺「本当は戦ってるはずなのに、それを忘れさせてくれるような・・・そんな毎日が、すごく幸せで楽しかったです。それって、やっぱりサーニャさんやみんながいてくれたからっス。本当に、ありがとうっス。」 サーニャ「それは私も同じ・・・俺さんが来てから私、今まで感じたことの無い新しい気持ち、いっぱい知ることができました・・・私のほうこそ、ありがとうございました・・・」 俺「はは・・・じゃあ、お互い様っスね。」ニッ サーニャ「はい。」ニコ 俺「それで・・・」 そこで一瞬言葉を詰まらせる。 俺「・・・あの・・・サーニャさん・・・今から俺が言うこと・・・どうか、驚かないで聞いてもらえますか・・・?」 サーニャ「? は、はい・・・」 突然、俺の声が真剣なものへと変わる。うつむいた瞳をなんとか彼女へ向ける。 俺「その・・・俺・・・」 意を決して発する。ずっと言いたかった言葉。 俺「俺は・・・!」 思いの丈の、全てを。 俺「サーニャさんのこと、好きです・・・!」 サーニャ「えっ・・・」 俺「仲間とか、友達とかじゃなくて・・・その・・・一人の、女の子として・・・」 サーニャ「!!」 突然の告白。サーニャは驚き、口許を両手で覆った。 俺は恥ずかしくなって再び視線を落とす。 俺「あなたと出会って、一緒に過ごすうちに・・・その・・・好きになっちゃいました・・・」 俺「でも、サーニャさんがエイラさんの事、好きなのは知ってます・・・それでも、この気持ちだけは、どうしても伝えたかったから・・・」 俺(勢いで言っちった・・・でも、これでいいよな・・・覚悟はできてるんだ。後は・・・) 俺が思いのすべてを伝え終わり、もう一度、彼女の顔を覗く。 そんな彼女の瞳には、今にも溢れそうなほどの涙が湛えられていた。 俺「! ご、ごめんなさい!あなたを・・・泣かせるつもりじゃなかった・・・」 俺「そうっスよね・・・こんなこと急に言われて、驚くなって言う方が無理っスよね・・・まして、俺なんかに・・・」 サーニャはその言葉を首を横に振り、否定する。 サーニャ「ううん・・・違う・・・違うの!」 俺「え・・・?」 サーニャ「嬉しかった・・・あなたに、好きって言ってもらえたこと・・・」 サーニャ「だって・・・」 少女も伝える。ずっと伝えたかった思いを。 サーニャ「私も、俺さんの事、大好きだから・・・」ニコッ 彼女が笑顔を見せると同時に、その瞳から大粒の涙が零れ落ちた。 あまりの予想外の返事に今度は俺が驚き、困惑する。 俺「え・・・?なんで・・・?・・・エイラさんは・・・?」 サーニャ「えっ・・・?」 俺「だって、サーニャさんは、エイラさんの事が好きで・・・それで・・・」 サーニャ「信じて、くれないんですか・・・?」 俺「・・・・・」 サーニャ「じゃあ――」 サーニャが、俺の目の前へと歩み寄る。 スッ それから、俺の肩へ手を添え、少し背伸び。ゆっくりと目を瞑りつつ、俺との距離を縮めてゆく。 俺「え・・・」 そして少女は、自分の持つ精一杯の勇気を振り絞って、 チュッ… 俺「!!」 俺の唇に、そっと口づけた。 それから、ゆっくりと唇を離してゆく。 サーニャ「・・・こ、これで・・・信じて・・・くれますか・・・?///」 俺「サーニャさん・・・」 サーニャ「私も、俺さんの事・・・ずっと・・・ずっと、大好きでした・・・一人の、男の人として・・・」 俺「・・・ホントに・・・本当に、サーニャさんは・・・俺なんかで・・・よかったんですか・・・?」 サーニャ「当たり前です・・・私が好きなのは、俺さんだから・・・」 俺「っ・・・!!」 ヒシッ… サーニャ「!」 胸の中の抑えきれなくなった思いが弾け、俺はサーニャを掻き抱く。 俺「・・・ありがとう・・・サーニャさん・・・俺、今すごく幸せっス・・・」ポロポロ サーニャ「うん・・・私も・・・すごく嬉しい・・・です・・・」ギュゥ サーニャはそう言って、俺の腰へと手を回し、抱きしめ返す。 サーニャ「あの・・・『サーニャ』って・・・」 俺「え・・・?」 ふと、サーニャが顔を上げて言った。 サーニャ「これからは、『サーニャ』って、ちゃんと・・・呼んで欲しいです・・・」 俺「いや・・・でも、サーニャさんは上官っスから・・・」 サーニャ「なら・・・上官、命令・・・///」 気恥ずかしそうに、サーニャが上目遣いで目配せしながら訴える。 俺「・・・わ、わかったっス。じゃあ・・・呼びます・・・」 サーニャ「・・・///」コクッ 俺「・・・さ・・・ささ・・・さー・・・///」ドキドキ しかし、中々言い出すことができない。女性を名前だけで呼ぶことに、俺は慣れていなかった。 俺「・・・あの・・・俺だけじゃ、不公平っス・・・だから・・・その、俺の事も、よかったら『俺』って呼んでほしいっス・・・」 サーニャ「・・・そうしたら、呼んでくれますか・・・?」 俺「は、はい・・・」 一呼吸置き、決心した後、サーニャは呼ぶ。 サーニャ「お・・・俺・・・・・///」ニコ それに応えるように、俺も呼び返す。 俺「サー・・・ニャ・・・///」 照れ笑いを浮かべながらも、心を込めて、お互いの名前を呼び合う。心はそれだけで、いっぱいに満たされた。 それから少しして、自然と二人の視線が交わった。 サーニャ「・・・・・」 俺「・・・・・」 抱擁を交わしながら、しばらく黙ったまま見つめあう。サーニャは潤んだ瞳で俺を見つめ、俺もじっとそれを見つめ返す。 サーニャ「んっ・・・」 ふと、サーニャが目を閉じた。少女なりにがんばって勇気をだしたおねだり。 その意味に気付いた俺は、戸惑いながらも少しづつ、唇を寄せてゆく。 目を閉じながら、徐々に距離を埋める。その途中で、そっと彼女の左の頬に手を添える。 近づいてゆくうちに、今までの思い出が走馬灯のように駆け巡る。俺は、そんな思い出をくれた彼女に感謝と愛情をこめて、 唇を、サーニャの唇へと重ね合わせた。 たった4、5秒の出来事。でも、その瞬間に俺が感じた幸福は、今まで感じたどんなことよりも幸せであった。 それから名残惜しむように、ゆっくりと唇を離し、瞳を開いてゆく。 サーニャ「・・・///」ニコッ 目の前に、うっとりとした表情で微笑む彼女がいた。 そんな彼女がとても愛おしくて、もう一度きゅっと抱きよせる。 俺「サーニャ・・・」 サーニャ「はい・・・」 俺「ありがとう。それと、色々と辛い思いさせて、ごめんなさい・・・」 サーニャ「・・・・・」 俺「ここに戻ってきた時、俺、君があんなに心配してくれるとは思わなかったっス・・・みんなにも聞きました。ずっと、心配してくれてたって・・・」 俺「ただでさえご両親の事で苦しい思いをしてるのに・・・俺、そんなことも知らず君をもっと苦しませたっス・・・」 サーニャ「・・・・・」 俺「だから、これからは・・・できるか分からないけど、君に幸せになってもらえるように頑張るっス。だから・・・その・・・俺の・・・恋人になってくれますか・・・?」 サーニャ「はいっ・・・///」ニコッ 俺「・・・ありがとう・・・」スッ 俺は片手でサーニャの柔らかな髪をそっと撫ぜる。サーニャは気持ち良さそうに目を細めた。 それから暫く、二人は手を繋ぎ語らう。今まであった事、そして、これからの事・・・ 俺「ってか、結局エーリカさん来なかったっスね・・・」 サーニャ「うん・・・」 俺「寒くなってきたし、そろそろ戻りましょっか・・・」 と、俺が基地へ戻ろうと振り返った時 クイッ 俺「?」 見ると、サーニャが俺の袖を引っ張っている。 俺「どうしたっスか?サーニャ?」 サーニャ「もう少し・・・」 俺「え・・・?」 サーニャ「もう少し、一緒に・・・いたい・・・」 俺「いや、でも・・・」 サーニャ「お願い・・・」 俺「・・・じゃあ、俺の部屋、来ますか?」 サーニャ「! ・・・///」コクッ 俺「・・・・・」 長い時間、二人で一緒に過ごした。 ―――――― ―――― ―― 12/30 僕との約束の日の前日 ---基地内ラウンジ--- 宮藤から少し話したい事があると皆が集められた。 ペリーヌ「どうしましたの、急に?」 芳佳「はい・・・あの、私の中のネウロイ・・・ヒュプノスが話したい事があるって・・・」 ミーナ「ヒュプノス・・・って、あの人型ネウロイの事かしら?」 芳佳「はい、今あの子とかわります・・・」 リーネ「かわるって・・・」 すると宮藤が使い魔を発現させ、両目を赤に染める。 ヒュプノス「・・・はじめまして。」 宮藤の声色が心なしか無機質なものに変わる。 ゲルト「!?」 ミーナ「あなたが・・・ヒュプノス?」 ヒュプノス「はい。私が対ネウロイ非常制圧特殊生物兵装。通称、ヒュプノスです。現在、私は宮藤芳佳の所有する言語中枢を利用し、あなた方とコンタクトを図っています。」 リーネ「あの、芳佳ちゃんは・・・」 ヒュプノス「ご心配いりません。今は彼女と人格を交代してもらっているだけです。彼女は、意識の根底でこの話を聞いています。」 リーネ「よかった・・・」 ミーナ「それで、お話って一体・・・」 ヒュプノス「私も一連の話は宮藤芳佳の体内で聞いていました。あなた方にお願いがあり、今日お話しさせていただく次第です。」 坂本「願い・・・?」 ヒュプノス「明日、彼を・・・デスを殺してください。」 ルッキーニ「え・・・?」 俺「・・・どうしてっスか?」 ヒュプノス「デスが言っていた通り、母なるものを倒すことなど不可能だからです。あれはあなた方の言語で言う『死』そのもの。そもそもその事象を消すなど不可能です。」 エイラ「でも、アイツを殺せば、今までの記憶が消えちゃうんダロ?それに、そんなことしたら本当に世界は滅びちゃうんダロ?」 ヒュプノス「それでもです。私は、あなた方に苦しんでほしくない。」 ミーナ「あなたもネウロイなのに、どうしてそう思うのかしら?」 ヒュプノス「私も、この宮藤芳佳の体内にいたことで、デスと同じく、僅かながら人としての性質が・・・心が芽生えてしまいました。」 ヒュプノス「宮藤芳佳があなた方とのコンタクトを重ねる度、私もあなた方の輪の中に入れた気がしました。それが私は幸福だった。」 ヒュプノス「ネウロイとして居場所を失った私にも、居場所ができた気がした。だから、その居場所をくれたあなた方を苦しませたくない。そう思いました。」 坂本「ネウロイとしての居場所・・・お前は、宮藤と接触するまでどうしていたんだ・・・?」 ヒュプノス「私は、ご存じのとおり人工のネウロイ。故に、同胞であるネウロイからも問答無用で敵視され、攻撃を受け続ける日々を送っていました。」 ヒュプノス「一番初めに逃げ延びた場所のスオムスという国で、私は一度同胞に連れ去られました。」 ヒュプノス「彼らは私の姿と、私に搭載されたコアコントロールシステムを解析し、模倣。そして、姿を私のような人型に変え、洗脳という術を身につけました。」 エイラ「聞いたことある・・・前にカウハバの基地でも、ネウロイに洗脳されたウィッチがいたって・・・確か、507の中尉が・・・」 坂本「迫水のことか・・・」 ヒュプノス「私はなんとか彼らの手から逃げ延び、再び逃げ続ける日々を送りました。」 ヒュプノス「その途中、ブリタニアと呼ばれる国でネウロイの力を用いた兵器の開発現場を目撃しました。」 ゲルト「ブリタニア・・・ネウロイ兵器・・・ウォーロックの事か・・・」 ヒュプノス「しかし、その時の私はすでに疲弊しきり、その現場を破壊することはできなかった。加えて、そこ研究者たちにも見つかり、攻撃を受けました。」 ヒュプノス「それから私は再び逃げ、傷を癒すために、私は残された力でコアコントロールシステムを用い、一つの巣を掌握し、そこに居座りました。それがあなた方と初めてコンタクトした・・・」 ペリーヌ「ガリアの・・・巣の事ですの・・・?」 ヒュプノス「はい。そして私は彼女と・・・宮藤芳佳と出会いました。」 ヒュプノス「私は自らをネウロイと認識しつつも、彼女を攻撃する気にはなれませんでした。その理由は私にもわかりません。でも、彼女となら分かり合える。そんな思考がふとよぎりました。」 ミーナ「ネウロイにも・・・意思があるってことかしら・・・?」 ヒュプノス「残念ですが、それは分かりかねます。・・・それから私は彼女を巣へと誘い、見せました。私という存在と、今まで見てきたもののすべてを。そして彼女は私という存在を理解し、認めてくれました。」 ヒュプノス「その矢先でした、あの時見た、人工のネウロイ兵器に撃滅されかけたのは・・・」 エーリカ「されかけたってことは、大丈夫だったってこと?」 ヒュプノス「はい。私はそれから時間をかけてゆっくりと再生し、次に逃げ延びた国・・・ロマーニャと言いましたか・・・そこで再び私は人間とのコンタクトを図ろうとしました。」 坂本「トライアヌス作戦の時か・・・」 ヒュプノス「しかしながら、今度は同胞により私は粛清を受け、巣ごと撃滅されかけました。それでも私は生き延び、再び逃げ続ける日々を送りました。」 ヒュプノス「そして、私は力尽きる寸前で再びこの少女に出会い、融合を果たし、今に至ります。」 ミーナ「そう・・・話してくれてありがとう。それで、彼を殺してほしいという話だけれど・・・」 ヒュプノス「はい。あなた方がこれ以上抗おうとも母なるものを倒すことはおそらく不可能です。勝ち目のない戦いに、私は命を懸けてほしくない。」 シャーリー「それでもさ、やっぱり諦めるのは嫌だよ。絶対に。」 ゲルト「ああ。その通りだ。勝つか負けるかなど、抗ってみなければわからないからな。」 俺「それに決めたんス。絶対に、守り抜いてみせるって。」 ヒュプノス「・・・元はと言えば、私があなたの中にデスを封印したのが原因・・・それさえなければ、あなた方が苦しむ必要はなかった・・・」 俺「俺は、あなたの所為だなんて思ってない。むしろ、感謝してるっス。」 ヒュプノス「何故?」 俺「だって、こんなこと言っていいのか分からないけど、あいつが・・・デスが俺の中にいなけりゃ、俺は魔力を覚醒させることもなかった。」 俺「そうじゃなきゃ俺、こうして皆とも出会えなかったっス。それに、俺も昔からウィッチみたいにみんなを守れるような力が欲しかった。」 俺「だから、そういう意味じゃ、あなたには感謝してるっス。」 ヒュプノス「・・・・・」 俺「だから、俺は守りたいんス。こうして出会えたみんなとの思い出と、これからを。」 エイラ「守りたいって思ってるのはオマエだけじゃない。ワタシだってそうサ。」 サーニャ「私も、同じ気持ちよ・・・」 皆も一様にうなずく。 ヒュプノス「・・・どうしても、抗うというのですか・・・?」 ミーナ「ええ。もう、決めたことだから。」 落ち着いていながら、しっかりとした覇気を込めてミーナは言い返す。 ヒュプノス「・・・何を言っても無駄なようです。分かりました、私も、最後まであなた方に力を貸します。」 ミーナ「それは助かるわ。ありがとう。」 ヒュプノス「それと、坂本美緒。」 坂本「?」 ヒュプノス「あなたに攻撃したこと、今更ながら謝罪させていただきます。申し訳ないことをしました。」 坂本「はっはっは!昨日の敵は今日の友ともいうからな、もう気にしてなどいない。」 ヒュプノス「そうですか・・・それともう一つ。俺。」 俺「はい?」 ヒュプノス「やはり、あなたの人生を狂わせてしまったことは詫びなければなりません。申し訳ありませんでした。」 俺「だから、俺はむしろ感謝してるくらいっスから。もういいっスよ。」 ヒュプノス「そのお心、感謝します。・・・では、失礼します。」 そう言い、ヒュプノスが目を閉じると使い魔の尾と耳が引っ込む。 彼女が再び目を開けると、目は元の色に戻っていた。 リーネ「芳佳ちゃん・・・?」 芳佳「うん。大丈夫だよ、リーネちゃん。」ニコッ そして迎える12月31日・・・ 約束通り、僕がやってきた。ついに決断の時だ。 僕「やぁ、久しぶりだね。もうすぐで0時、約束の時間だ。答えはもう・・・出てるのかな・・・?」 俺「ああ。もう決まったよ。」 僕「もう一度だけ言っておくけど、僕を殺すということで選択を曲げる必要はない。僕はどのみち消える存在だ。変な同情心は起こさないでほしい。」 ミーナ「・・・・・」 僕「それじゃあ、答えを聞こう。」 エイラ「俺、言ってやれヨ。」 シャーリー「ああ、ガツンとな。」 ルッキーニ「俺ならできるよ!」 エーリカ「キミが正しいと思ったことを言うだけだよ。難しいことじゃない。」 ペリーヌ「きっと、今は皆、あなたと同じ方向を向いているはずですわ。」 ゲルト「頼むぞ。俺。」 ミーナ「みんな、あなたを信じてるわ。お願い。」 坂本「安心しろ。お前が選び取った未来を、誰も責めるようなことはしない。」 リーネ「私も、今のこの気持ちに正直でいたいです。」 芳佳「お願いします、俺さん!」 サーニャ「俺・・・」 俺は首だけ振り向き、一度頷居た後もう一度僕へと向き直り、告げる。 俺「俺は・・・いや、俺たちは・・・」 決断の時。 僕を殺し、記憶を手放して滅びの時まで何も知らずただ死を待つか。 それとも、僕を殺さず、滅びに抗い続けるか。 選択は俺の手へと委ねられた・・・ 続き→ペルソナ19 -ページ先頭へ
https://w.atwiki.jp/p3etc/pages/16.html
異聞録の南条君と美鶴は共通点(裕福、リーダー格、大切な人を失う)が多いのに感情移入度が明らかに違うのは何故か? 後付けのペルソナ能力って? 異聞録の南条君と美鶴は共通点(裕福、リーダー格、大切な人を失う)が多いのに感情移入度が明らかに違うのは何故か? 南条 自分の立場上求められる「冷静さ」「合理的判断」を演じてはいるが、心の底から冷たいというわけではないように描かれている 自分の意見は積極的に述べるが最終的な判断は主人公に委ねる 美鶴 素で「上に立つ者」として振る舞っているように見える。しかし全ての人に対してそう振る舞っているというわけでもなく依存対象(最初は父親、後にゆかり)にはデレデレ 。 主人公無視で話を進める 一番の違いは、南条は「自分に求められている役割を演じている」のであるのに対し 美鶴は「天然」 後付けのペルソナ能力って? ペンテレシアの索敵能力だと思われ。元は戦闘向きで覚醒自体は父親を守る為に自然発動(後日談で過去の覚醒シーンが見れる)素質があるのはその時点でわかっていたらしいが初めての自然覚醒者。
https://w.atwiki.jp/trpg-originative/pages/44.html
妖精 LV5 ??? LV10 ジャック・オ・フロスト LV20 ジャック・オ・ランタン LV10 ジャック・オ・フロスト 「初期」 HP(生命力)+30 MP(魔力)+80 STR(力)+0 VIT(耐久力)+0 TEC(技術力)+0 AGL(素早さ)+25 LUK(運)+25 MDF(魔法防御力)+30 MAK(魔法威力)+10 「同調」 HP(生命力)+50 MP(魔力)+100 STR(力)+5 VIT(耐久力)+5 TEC(技術力)+5 AGL(素早さ)+50 LUK(運)+50 MDF(魔法防御力)+40 MAK(魔法威力)+20 「最終覚醒」 HP(生命力)+70 MP(魔力)+150 STR(力)+10 VIT(耐久力)+10 TEC(技術力)+10 AGL(素早さ)+100 LUK(運)+100 MDF(魔法防御力)+80 MAK(魔法威力)+30 <装着相性> 全員と最高相性 <ペルソナを装着するだけで使える能力> 一部のアクマに「かわいい」と言われる 氷系のダメージを反射 炎系のダメージが二倍になる 「初期」ブフ 一体に氷の波動でD10+魔法威力のダメージ、たまに敵が「凍結」状態に。 消費MP5 「同調」マハーブフ 氷の波動でD10+魔法威力のダメージ、たまに敵が「凍結」状態に。消費MP20 <ペルソナ降臨で使える能力> 「初期」ハピルマ ハピルマ 敵一体を幸福状態にする。消費MP5 「同調」ヒーホーダンス 楽しい踊りで、敵にランダムで幸福、睡眠、魅了、混乱の効果を与える。 消費MP10 「最終覚醒」スウィートトラップ 突然上空から、あり得ない物体が落下してきて敵一体に10D10のダメージ。 「最終覚醒」アイスブレス 氷のブレスで、敵全体に魔法威力ダメージ、たまに敵が「凍結」状態に。消費MP30 LV20 ジャック・オ・ランタン ヒーホーの存在感薄い方。 「初期」 HP(生命力)+70 MP(魔力)+80 STR(力)+25 VIT(耐久力)+10 TEC(技術力)+10 AGL(素早さ)+25 LUK(運)+75 MDF(魔法防御力)+25 MAK(魔法威力)+20 「同調」 HP(生命力)+100 MP(魔力)+120 STR(力)+50 VIT(耐久力)+25 TEC(技術力)+25 AGL(素早さ)+50 LUK(運)+100 MDF(魔法防御力)+30 MAK(魔法威力)+40 「最終覚醒」 HP(生命力)+150 MP(魔力)+200 STR(力)+100 VIT(耐久力)+50 TEC(技術力)+50 AGL(素早さ)+100 LUK(運)+150 MDF(魔法防御力)+50 MAK(魔法威力)+60 <装着相性> 全員と最高相性 <ペルソナを装着するだけで使える能力> 一部のアクマに「かわいい」と言われる 炎系のダメージを反射 氷系のダメージが二倍になる 「初期」アギ 一体に炎でD10+魔法威力のダメージ、 消費MP5 「同調」マハラギ 炎でD10+魔法威力のダメージ。消費MP20 <ペルソナ降臨で使える能力> 「初期」スウィートトラップ 突然上空から、あり得ない物体が落下してきて敵一体に10D10のダメージ。 「同調」不幸のフラダンス 見るとなんとも言えない踊りで、金縛り、病気、逃走などのバッドステータスを与える 消費MP10 「最終覚醒」 トリック・オア・トリート 問答無用で敵から何かアイテムをぶんどる。 何が奪えるかはD100で判定。消費MP30 「最終覚醒」ファイアブレス 炎のブレスで、敵全体に魔法威力ダメージ、たまに敵が「やけど」状態に。火が燃え移ることも。消費MP30
https://w.atwiki.jp/trpg-originative/pages/59.html
大天使 LV18 ソロネ LV36 ウリエル LV55 ??? LV60 ??? LV62 ??? LV79 ??? LV94 ??? LV18 ソロネ 座天使。第三位に数えられる上級天使の総称。唯一神たる主の戦車を運ぶ者とされる。 ペルソナでは、戦いの衣装を纏う麗しき天使(だいたい女性タイプ)として現れる。 「初期」 HP(生命力)+75 MP(魔力)+150 STR(力)+10 VIT(耐久力)+10 TEC(技術力)+30 AGL(素早さ)+85 LUK(運)+50 MDF(魔法防御力)+45 MAK(魔法威力)+18 「同調」 HP(生命力)+100 MP(魔力)+250 STR(力)+20 VIT(耐久力)+15 TEC(技術力)+50 AGL(素早さ)+100 LUK(運)+100 MDF(魔法防御力)+75 MAK(魔法威力)+36 「最終覚醒」 HP(生命力)+150 MP(魔力)+350 STR(力)+30 VIT(耐久力)+25 TEC(技術力)+80 AGL(素早さ)+150 LUK(運)+150 MDF(魔法防御力)+100 MAK(魔法威力)+54 <装着相性> 碧殊専用 <ペルソナを装着するだけで使える能力> 「初期」エネルギー体の翼を背中に出して空を飛ぶ。戦闘中は使用不可能。5分につき消費MP10 「初期」炎属性の攻撃を反射 「初期」呪殺系の魔法で即死する。 <ペルソナ降臨で使える能力> 「初期」デライト 敵一体を金縛りにする。敵は魔法抵抗を試みる。 消費MP5 「初期」ツインスラッシュ 敵一体に「片手剣」属性で。STR÷3ダメージ二回攻撃。 MP消費なし 「同調」メディアラマ 全員のHPをD10+(LUK÷5)回復。 消費MP 50 「同調」タルカジャ 味方1体のSTRを+魔法威力増す。重ねがけ可能。 消費MP10 「最終覚醒」燃え盛る車輪 敵一体に炎&物理属性の攻撃。どちらかでも効果があれば当たる。 (TEC+AGL)÷2のダメージを与える。 敵が暗黒属性の場合、低確率で即死する。 消費MP45 LV36 ウリエル ミカエル、ガブリエル、ラファエルと共に「神の御前に立つ四人の天使」の一人。 ウリエルという名前は、「神の光」「神の炎」を意味する。 また、ウリエルの名は預言者ウリアに由来するといわれている。 ウリエルには地の元素、緑色、北の方角が配当される 「初期」 HP(生命力)+150 MP(魔力)+200 STR(力)+100 VIT(耐久力)+100 TEC(技術力)+150 AGL(素早さ)+200 LUK(運)+100 MDF(魔法防御力)+80 MAK(魔法威力)+36 「同調」 HP(生命力)+200 MP(魔力)+300 STR(力)+150 VIT(耐久力)+150 TEC(技術力)+200 AGL(素早さ)+300 LUK(運)+150 MDF(魔法防御力)+120 MAK(魔法威力)+72 「最終覚醒」 HP(生命力)+350 MP(魔力)+500 STR(力)+300 VIT(耐久力)+300 TEC(技術力)+400 AGL(素早さ)+500 LUK(運)+300 MDF(魔法防御力)+200 MAK(魔法威力)+108 <装着相性> 碧殊専用 <ペルソナを装着するだけで使える能力> 神聖系、ニュートラル系のアクマに好かれやすい 語る言葉に謎の説得力がついてくる 邪悪系のアクマに敵対される 「初期」エネルギー体の翼を背中に出して空を飛ぶ。戦闘中は使用不可能。5分につき消費MP10 「初期」炎属性の攻撃を反射 「初期」呪殺系の魔法で即死する。 「初期」ディアラマ HPをD10+(LUK÷5)+魔法威力回復。 消費MP 30 「初期」緑の加護 味方全員に、状態異常へのバリアを張る。効果時間は5ターン。 消費MP25 「同調」ひらめく予言 未来に起こりそうなことを口走る。 当たっているかどうかは微妙(合っていても努力で変えられる)。 メタ的に言えば、GMが考えている未来図を先に言える。 消費MP30 <ペルソナ降臨で使える能力> 「初期」焔の剣 ウリエルのシンボルとされる焔の剣で攻撃。 STR÷4+魔法威力ダメージ。 MP消費なし 「最終覚醒」懺悔の業火 罪人へ炎による攻撃をする。敵一体に10D10+50+魔法威力ダメージ。 攻撃の際、心から懺悔した者にはダメージが通らない。 口先だけの場合は攻撃可能なので、敵を試すことも出来る。 消費MP75 「最終覚醒」堕天使変化 堕天したという逸話を取り入れたもの。 翼は黒く染まり、属性が逆転する。 技能はすべて堕天使属性が加わったものとなり、「懺悔の業火」は悪への忠誠を誓うかどうかとなる。 丸一日経過するかもう一度使えば戻る。 消費MP50
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/566.html
夜 10 59 ---基地内廊下--- 俺はエーリカに言われた通りバルコニーへと向かっていた。 俺(さっきエーリカさんなんて言ってた・・・?俺を・・・好き・・・?じゃあなんだ?俺・・・告白されんのか!?) 俺(でも・・・俺には他に好きな人が・・・いや・・・それもどうせ叶わない恋だもんな・・・だったら・・・いや、でも・・・ああもう!) あれこれと考えて居ると、バルコニーの方角から歌声が聞こえてきた。 ♪~♪♪~ 俺(あれ・・・この歌・・・) その歌に誘われるかのように、俺はバルコニーへと足を進めた。 ♪サーニャの歌 11 00 ---基地内バルコニー--- たどり着いたバルコニーに、エーリカの姿はなかった。代わりに、別の少女が一人、天に祈りを捧げるかのように手を胸元で組んで歌っていた。 俺「サーニャ・・・さん・・・?」 サーニャ「♪~・・・? 俺・・・さん?」 バルコニーに居たのは銀色の髪の少女。サーニャであった。 彼女はその身に赤いマフラーと、グレーのコートを纏い、頭にオラーシャ帽を被っていた。 俺「なんで・・・ここに・・・?」 サーニャ「・・・エーリカさんに呼ばれて・・・・・」 俺「そ、そうなんスか・・・俺もなんスよ。」 サーニャ「そう、ですか・・・」 それからしばらく、2人はエーリカを待ち続けた。 ~5分後~ 俺「・・・・・」 サーニャ「・・・・・」 ~10分後~ 俺「・・・クシュン!」 サーニャ「あ、あの、よかったらマフラー・・・」スルリ 俺「あ、あぁ。すみませんっス。お借りするっス・・・」マキマキ ~15分後~ 俺「・・・・・」 サーニャ「・・・・・」 俺(こ、来ねぇ・・・どういうことだってばよ・・・) いくら待ってもエーリカが姿を現すことはなかった。待ち続ける2人の間にも、どこかもどかしい雰囲気が流れていた。 俺(ど、どうしよ・・・とりあえず何か話すか・・・) サーニャ(なにかお話しした方がいい・・・かな・・・) 俺&サーニャ「あ、あの!」 俺&サーニャ「ご、ごめんなさい・・・」 俺&サーニャ「・・・・・」 俺&サーニャ「ふっ・・・」 俺「くくっ・・・ははははは!」 サーニャ「ふふっ・・・」クスクス 俺「ははは・・・なんか、前にもこんなことあったっスよね。」 サーニャ「はい・・・なんだか、おかしいです。ふふっ・・・」 以前、一緒にお菓子を作った時にも同じようなことがあった。その時の事を2人は思い出す。 俺「・・・・・」 サーニャ「・・・・・」 しかし、それからまた会話がなくなってしまった。いざ話そうにも、なかなか続かない。 俺(今・・・他に誰もいないよな・・・) 俺には彼女に伝えたい思いがあった。それは、長い間内に秘めてきた淡い恋心。 俺(でも、サーニャさんにはエイラさんがいるし・・・やっぱり・・・) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 芳佳「確かに、エイラさんはサーニャちゃんのことが好きで、サーニャちゃんもエイラさんの事好きかも知れません!いえ、きっとそうです!」 芳佳「でも、想いも伝えないで諦めたら、それこそそこで試合終了なんじゃないですか!?」ドン! 芳佳「俺さんは頑張るべきです!むしろ当たって砕けろです!!」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 俺(そう・・・だよな・・・どうせ叶わない恋なんだ・・・) 俺(それに、今言わなかったらたぶん俺、一生言わない・・・だったらいっそ、思いを伝えて砕けた方がいいよな・・・) 俺(何も言わないで終わる方が、悔いが残るもんな・・・うっし!) 自身に喝を入れ、彼女に向き直る。 俺「・・・あの、サーニャさん・・・・・」 サーニャ「はい・・・?」 俺「その・・・ありがとうございました。」 サーニャ「?」 俺「俺、ここに来ていろんな思い出ができました。誕生日祝ってもらったり、逆にお祝いしたり、お菓子作ったり、祭り行ったり、お芝居とかもして・・・」 俺「本当は戦ってるはずなのに、それを忘れさせてくれるような・・・そんな毎日が、すごく幸せで楽しかったです。それって、やっぱりサーニャさんやみんながいてくれたからっス。本当に、ありがとうっス。」 サーニャ「それは私も同じ・・・俺さんが来てから私、今まで感じたことの無い新しい気持ち、いっぱい知ることができました・・・私のほうこそ、ありがとうございました・・・」 俺「はは・・・じゃあ、お互い様っスね。」ニッ サーニャ「はい。」ニコ 俺「それで・・・」 そこで一瞬言葉を詰まらせる。 俺「・・・あの・・・サーニャさん・・・今から俺が言うこと・・・どうか、驚かないで聞いてもらえますか・・・?」 サーニャ「? は、はい・・・」 突然、俺の声が真剣なものへと変わる。うつむいた瞳をなんとか彼女へ向ける。 俺「その・・・俺・・・」 意を決して発する。ずっと言いたかった言葉。 俺「俺は・・・!」 思いの丈の、全てを。 俺「サーニャさんのこと、好きです・・・!」 サーニャ「えっ・・・」 俺「仲間とか、友達とかじゃなくて・・・その・・・一人の、女の子として・・・」 サーニャ「!!」 突然の告白。サーニャは驚き、口許を両手で覆った。 俺は恥ずかしくなって再び視線を落とす。 俺「あなたと出会って、一緒に過ごすうちに・・・その・・・好きになっちゃいました・・・」 俺「でも、サーニャさんがエイラさんの事、好きなのは知ってます・・・それでも、この気持ちだけは、どうしても伝えたかったから・・・」 俺(勢いで言っちった・・・でも、これでいいよな・・・覚悟はできてるんだ。後は・・・) 俺が思いのすべてを伝え終わり、もう一度、彼女の顔を覗く。 そんな彼女の瞳には、今にも溢れそうなほどの涙が湛えられていた。 俺「! ご、ごめんなさい!あなたを・・・泣かせるつもりじゃなかった・・・」 俺「そうっスよね・・・こんなこと急に言われて、驚くなって言う方が無理っスよね・・・まして、俺なんかに・・・」 サーニャはその言葉を首を横に振り、否定する。 サーニャ「ううん・・・違う・・・違うの!」 俺「え・・・?」 サーニャ「嬉しかった・・・あなたに、好きって言ってもらえたこと・・・」 サーニャ「だって・・・」 少女も伝える。ずっと伝えたかった思いを。 サーニャ「私も、俺さんの事、大好きだから・・・」ニコッ 彼女が笑顔を見せると同時に、その瞳から大粒の涙が零れ落ちた。 あまりの予想外の返事に今度は俺が驚き、困惑する。 俺「え・・・?なんで・・・?・・・エイラさんは・・・?」 サーニャ「えっ・・・?」 俺「だって、サーニャさんは、エイラさんの事が好きで・・・それで・・・」 サーニャ「信じて、くれないんですか・・・?」 俺「・・・・・」 サーニャ「じゃあ――」 サーニャが、俺の目の前へと歩み寄る。 スッ それから、俺の肩へ手を添え、少し背伸び。ゆっくりと目を瞑りつつ、俺との距離を縮めてゆく。 俺「え・・・」 そして少女は、自分の持つ精一杯の勇気を振り絞って、 チュッ… 俺「!!」 俺の唇に、そっと口づけた。 それから、ゆっくりと唇を離してゆく。 サーニャ「・・・こ、これで・・・信じて・・・くれますか・・・?///」 俺「サーニャさん・・・」 サーニャ「私も、俺さんの事・・・ずっと・・・ずっと、大好きでした・・・一人の、男の人として・・・」 俺「・・・ホントに・・・本当に、サーニャさんは・・・俺なんかで・・・よかったんですか・・・?」 サーニャ「当たり前です・・・私が好きなのは、俺さんだから・・・」 俺「っ・・・!!」 ヒシッ… サーニャ「!」 胸の中の抑えきれなくなった思いが弾け、俺はサーニャを掻き抱く。 俺「・・・ありがとう・・・サーニャさん・・・俺、今すごく幸せっス・・・」ポロポロ サーニャ「うん・・・私も・・・すごく嬉しい・・・です・・・」ギュゥ サーニャはそう言って、俺の腰へと手を回し、抱きしめ返す。 サーニャ「あの・・・『サーニャ』って・・・」 俺「え・・・?」 ふと、サーニャが顔を上げて言った。 サーニャ「これからは、『サーニャ』って、ちゃんと・・・呼んで欲しいです・・・」 俺「いや・・・でも、サーニャさんは上官っスから・・・」 サーニャ「なら・・・上官、命令・・・///」 気恥ずかしそうに、サーニャが上目遣いで目配せしながら訴える。 俺「・・・わ、わかったっス。じゃあ・・・呼びます・・・」 サーニャ「・・・///」コクッ 俺「・・・さ・・・ささ・・・さー・・・///」ドキドキ しかし、中々言い出すことができない。女性を名前だけで呼ぶことに、俺は慣れていなかった。 俺「・・・あの・・・俺だけじゃ、不公平っス・・・だから・・・その、俺の事も、よかったら『俺』って呼んでほしいっス・・・」 サーニャ「・・・そうしたら、呼んでくれますか・・・?」 俺「は、はい・・・」 一呼吸置き、決心した後、サーニャは呼ぶ。 サーニャ「お・・・俺・・・・・///」ニコ それに応えるように、俺も呼び返す。 俺「サー・・・ニャ・・・///」 照れ笑いを浮かべながらも、心を込めて、お互いの名前を呼び合う。心はそれだけで、いっぱいに満たされた。 それから少しして、自然と二人の視線が交わった。 サーニャ「・・・・・」 俺「・・・・・」 抱擁を交わしながら、しばらく黙ったまま見つめあう。サーニャは潤んだ瞳で俺を見つめ、俺もじっとそれを見つめ返す。 サーニャ「んっ・・・」 ふと、サーニャが目を閉じた。少女なりにがんばって勇気をだしたおねだり。 その意味に気付いた俺は、戸惑いながらも少しづつ、唇を寄せてゆく。 目を閉じながら、徐々に距離を埋める。その途中で、そっと彼女の左の頬に手を添える。 近づいてゆくうちに、今までの思い出が走馬灯のように駆け巡る。俺は、そんな思い出をくれた彼女に感謝と愛情をこめて、 唇を、サーニャの唇へと重ね合わせた。 たった4、5秒の出来事。でも、その瞬間に俺が感じた幸福は、今まで感じたどんなことよりも幸せであった。 それから名残惜しむように、ゆっくりと唇を離し、瞳を開いてゆく。 サーニャ「・・・///」ニコッ 目の前に、うっとりとした表情で微笑む彼女がいた。 そんな彼女がとても愛おしくて、もう一度きゅっと抱きよせる。 俺「サーニャ・・・」 サーニャ「はい・・・」 俺「ありがとう。それと、色々と辛い思いさせて、ごめんなさい・・・」 サーニャ「・・・・・」 俺「ここに戻ってきた時、俺、君があんなに心配してくれるとは思わなかったっス・・・みんなにも聞きました。ずっと、心配してくれてたって・・・」 俺「ただでさえご両親の事で苦しい思いをしてるのに・・・俺、そんなことも知らず君をもっと苦しませたっス・・・」 サーニャ「・・・・・」 俺「だから、これからは・・・できるか分からないけど、君に幸せになってもらえるように頑張るっス。だから・・・その・・・俺の・・・恋人になってくれますか・・・?」 サーニャ「はいっ・・・///」ニコッ 俺「・・・ありがとう・・・」スッ 俺は片手でサーニャの柔らかな髪をそっと撫ぜる。サーニャは気持ち良さそうに目を細めた。 それから暫く、二人は手を繋ぎ語らう。今まであった事、そして、これからの事・・・ 俺「ってか、結局エーリカさん来なかったっスね・・・」 サーニャ「うん・・・」 俺「寒くなってきたし、そろそろ戻りましょっか・・・」 と、俺が基地へ戻ろうと振り返った時 クイッ 俺「?」 見ると、サーニャが俺の袖を引っ張っている。 俺「どうしたっスか?サーニャ?」 サーニャ「もう少し・・・」 俺「え・・・?」 サーニャ「もう少し、一緒に・・・いたい・・・」 俺「いや、でも・・・」 サーニャ「お願い・・・」 俺「・・・じゃあ、俺の部屋、来ますか?」 サーニャ「! ・・・///」コクッ 俺「・・・・・」 長い時間、二人で一緒に過ごした。 ―――――― ―――― ―― 12/30 僕との約束の日の前日 ---基地内ラウンジ--- 宮藤から少し話したい事があると皆が集められた。 ペリーヌ「どうしましたの、急に?」 芳佳「はい・・・あの、私の中のネウロイ・・・ヒュプノスが話したい事があるって・・・」 ミーナ「ヒュプノス・・・って、あの人型ネウロイの事かしら?」 芳佳「はい、今あの子とかわります・・・」 リーネ「かわるって・・・」 すると宮藤が使い魔を発現させ、両目を赤に染める。 ヒュプノス「・・・はじめまして。」 宮藤の声色が心なしか無機質なものに変わる。 ゲルト「!?」 ミーナ「あなたが・・・ヒュプノス?」 ヒュプノス「はい。私が対ネウロイ非常制圧特殊生物兵装。通称、ヒュプノスです。現在、私は宮藤芳佳の所有する言語中枢を利用し、あなた方とコンタクトを図っています。」 リーネ「あの、芳佳ちゃんは・・・」 ヒュプノス「ご心配いりません。今は彼女と人格を交代してもらっているだけです。彼女は、意識の根底でこの話を聞いています。」 リーネ「よかった・・・」 ミーナ「それで、お話って一体・・・」 ヒュプノス「私も一連の話は宮藤芳佳の体内で聞いていました。あなた方にお願いがあり、今日お話しさせていただく次第です。」 坂本「願い・・・?」 ヒュプノス「明日、彼を・・・デスを殺してください。」 ルッキーニ「え・・・?」 俺「・・・どうしてっスか?」 ヒュプノス「デスが言っていた通り、母なるものを倒すことなど不可能だからです。あれはあなた方の言語で言う『死』そのもの。そもそもその事象を消すなど不可能です。」 エイラ「でも、アイツを殺せば、今までの記憶が消えちゃうんダロ?それに、そんなことしたら本当に世界は滅びちゃうんダロ?」 ヒュプノス「それでもです。私は、あなた方に苦しんでほしくない。」 ミーナ「あなたもネウロイなのに、どうしてそう思うのかしら?」 ヒュプノス「私も、この宮藤芳佳の体内にいたことで、デスと同じく、僅かながら人としての性質が・・・心が芽生えてしまいました。」 ヒュプノス「宮藤芳佳があなた方とのコンタクトを重ねる度、私もあなた方の輪の中に入れた気がしました。それが私は幸福だった。」 ヒュプノス「ネウロイとして居場所を失った私にも、居場所ができた気がした。だから、その居場所をくれたあなた方を苦しませたくない。そう思いました。」 坂本「ネウロイとしての居場所・・・お前は、宮藤と接触するまでどうしていたんだ・・・?」 ヒュプノス「私は、ご存じのとおり人工のネウロイ。故に、同胞であるネウロイからも問答無用で敵視され、攻撃を受け続ける日々を送っていました。」 ヒュプノス「一番初めに逃げ延びた場所のスオムスという国で、私は一度同胞に連れ去られました。」 ヒュプノス「彼らは私の姿と、私に搭載されたコアコントロールシステムを解析し、模倣。そして、姿を私のような人型に変え、洗脳という術を身につけました。」 エイラ「聞いたことある・・・前にカウハバの基地でも、ネウロイに洗脳されたウィッチがいたって・・・確か、507の中尉が・・・」 坂本「迫水のことか・・・」 ヒュプノス「私はなんとか彼らの手から逃げ延び、再び逃げ続ける日々を送りました。」 ヒュプノス「その途中、ブリタニアと呼ばれる国でネウロイの力を用いた兵器の開発現場を目撃しました。」 ゲルト「ブリタニア・・・ネウロイ兵器・・・ウォーロックの事か・・・」 ヒュプノス「しかし、その時の私はすでに疲弊しきり、その現場を破壊することはできなかった。加えて、そこ研究者たちにも見つかり、攻撃を受けました。」 ヒュプノス「それから私は再び逃げ、傷を癒すために、私は残された力でコアコントロールシステムを用い、一つの巣を掌握し、そこに居座りました。それがあなた方と初めてコンタクトした・・・」 ペリーヌ「ガリアの・・・巣の事ですの・・・?」 ヒュプノス「はい。そして私は彼女と・・・宮藤芳佳と出会いました。」 ヒュプノス「私は自らをネウロイと認識しつつも、彼女を攻撃する気にはなれませんでした。その理由は私にもわかりません。でも、彼女となら分かり合える。そんな思考がふとよぎりました。」 ミーナ「ネウロイにも・・・意思があるってことかしら・・・?」 ヒュプノス「残念ですが、それは分かりかねます。・・・それから私は彼女を巣へと誘い、見せました。私という存在と、今まで見てきたもののすべてを。そして彼女は私という存在を理解し、認めてくれました。」 ヒュプノス「その矢先でした、あの時見た、人工のネウロイ兵器に撃滅されかけたのは・・・」 エーリカ「されかけたってことは、大丈夫だったってこと?」 ヒュプノス「はい。私はそれから時間をかけてゆっくりと再生し、次に逃げ延びた国・・・ロマーニャと言いましたか・・・そこで再び私は人間とのコンタクトを図ろうとしました。」 坂本「トライアヌス作戦の時か・・・」 ヒュプノス「しかしながら、今度は同胞により私は粛清を受け、巣ごと撃滅されかけました。それでも私は生き延び、再び逃げ続ける日々を送りました。」 ヒュプノス「そして、私は力尽きる寸前で再びこの少女に出会い、融合を果たし、今に至ります。」 ミーナ「そう・・・話してくれてありがとう。それで、彼を殺してほしいという話だけれど・・・」 ヒュプノス「はい。あなた方がこれ以上抗おうとも母なるものを倒すことはおそらく不可能です。勝ち目のない戦いに、私は命を懸けてほしくない。」 シャーリー「それでもさ、やっぱり諦めるのは嫌だよ。絶対に。」 ゲルト「ああ。その通りだ。勝つか負けるかなど、抗ってみなければわからないからな。」 俺「それに決めたんス。絶対に、守り抜いてみせるって。」 ヒュプノス「・・・元はと言えば、私があなたの中にデスを封印したのが原因・・・それさえなければ、あなた方が苦しむ必要はなかった・・・」 俺「俺は、あなたの所為だなんて思ってない。むしろ、感謝してるっス。」 ヒュプノス「何故?」 俺「だって、こんなこと言っていいのか分からないけど、あいつが・・・デスが俺の中にいなけりゃ、俺は魔力を覚醒させることもなかった。」 俺「そうじゃなきゃ俺、こうして皆とも出会えなかったっス。それに、俺も昔からウィッチみたいにみんなを守れるような力が欲しかった。」 俺「だから、そういう意味じゃ、あなたには感謝してるっス。」 ヒュプノス「・・・・・」 俺「だから、俺は守りたいんス。こうして出会えたみんなとの思い出と、これからを。」 エイラ「守りたいって思ってるのはオマエだけじゃない。ワタシだってそうサ。」 サーニャ「私も、同じ気持ちよ・・・」 皆も一様にうなずく。 ヒュプノス「・・・どうしても、抗うというのですか・・・?」 ミーナ「ええ。もう、決めたことだから。」 落ち着いていながら、しっかりとした覇気を込めてミーナは言い返す。 ヒュプノス「・・・何を言っても無駄なようです。分かりました、私も、最後まであなた方に力を貸します。」 ミーナ「それは助かるわ。ありがとう。」 ヒュプノス「それと、坂本美緒。」 坂本「?」 ヒュプノス「あなたに攻撃したこと、今更ながら謝罪させていただきます。申し訳ないことをしました。」 坂本「はっはっは!昨日の敵は今日の友ともいうからな、もう気にしてなどいない。」 ヒュプノス「そうですか・・・それともう一つ。俺。」 俺「はい?」 ヒュプノス「やはり、あなたの人生を狂わせてしまったことは詫びなければなりません。申し訳ありませんでした。」 俺「だから、俺はむしろ感謝してるくらいっスから。もういいっスよ。」 ヒュプノス「そのお心、感謝します。・・・では、失礼します。」 そう言い、ヒュプノスが目を閉じると使い魔の尾と耳が引っ込む。 彼女が再び目を開けると、目は元の色に戻っていた。 リーネ「芳佳ちゃん・・・?」 芳佳「うん。大丈夫だよ、リーネちゃん。」ニコッ そして迎える12月31日・・・ 約束通り、僕がやってきた。ついに決断の時だ。 僕「やぁ、久しぶりだね。もうすぐで0時、約束の時間だ。答えはもう・・・出てるのかな・・・?」 俺「ああ。もう決まったよ。」 僕「もう一度だけ言っておくけど、僕を殺すということで選択を曲げる必要はない。僕はどのみち消える存在だ。変な同情心は起こさないでほしい。」 ミーナ「・・・・・」 僕「それじゃあ、答えを聞こう。」 エイラ「俺、言ってやれヨ。」 シャーリー「ああ、ガツンとな。」 ルッキーニ「俺ならできるよ!」 エーリカ「キミが正しいと思ったことを言うだけだよ。難しいことじゃない。」 ペリーヌ「きっと、今は皆、あなたと同じ方向を向いているはずですわ。」 ゲルト「頼むぞ。俺。」 ミーナ「みんな、あなたを信じてるわ。お願い。」 坂本「安心しろ。お前が選び取った未来を、誰も責めるようなことはしない。」 リーネ「私も、今のこの気持ちに正直でいたいです。」 芳佳「お願いします、俺さん!」 サーニャ「俺・・・」 俺は首だけ振り向き、一度頷居た後もう一度僕へと向き直り、告げる。 俺「俺は・・・いや、俺たちは・・・」 決断の時。 僕を殺し、記憶を手放して滅びの時まで何も知らずただ死を待つか。 それとも、僕を殺さず、滅びに抗い続けるか。 選択は俺の手へと委ねられた・・・ 続き→ペルソナ19
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8499.html
前ページ次ページゼロのペルソナ 恋人 意味……魅力・誘惑 タバサと陽介が学園から出発したあとのこと、ルイズと完二の身に大変なことが起こっていた。 「ねえ、カンジ。わたしは世界で一番カンジが大好き!カンジはわたしのこと好き?」 ルイズはカンジの腕に絡み付いて言う。その声は貴族の好む高級菓子よりも甘い。 「……」 完二は苦い顔をして口を閉ざしている。 「ねえ、カンジ。答えてよ。もしかして……わたしのこと嫌い?」 ルイズは目を涙でうるうるさせる。 しょうがないというふうに完二は答えた。 「別にキライじゃねえよ」 「じゃあ、好きなの?」 「……好きなほうじゃねーのか」 ルイズの顔がぱあっと明るくなる。喜色満面とはこのことを言うのであろう。 「じゃあじゃあ、カンジはどれくらいわたしのこと好き?わたしはこーれくらいこーれくらい好き」 ルイズは絡めていた手を離して両手を挙げて広げるようなジェスチャーをする。 「どれくらい?」 ルイズは一旦離した完二の手に再びしがみつき、きらきらという擬態語が似合いそうな目で完二を見つめる。 完二は勘弁してくれと溜め息をついた。 ルイズが突然、完二に猛烈なアピールをするようになったのは、 ルイズが今まで完二に助けられていたことで募っていた思いが恋愛感情となって爆発したから。では当然ない。 ぎろりと完二は現在の状況を作り出した元凶を睨みつける。 その睨みを受けたのは二人の魔法使いはたじろいだ。 その二人とは以前シエスタに因縁をつけた際に完二にシメられたギーシュと、その彼女モンランシーである。 今ルイズと完二がイチャイチャしている(完二が望んだわけではないが)部屋もモンモランシーの部屋であった。 ルイズが完二に熱をあげるようになってしまったのは次のようなわけがあった。 モンモランシーはギーシュのガールフレンドである。そして彼女はボーイフレンドの浮気性にほとほと困り果てていた。 その時、水の魔法使いである彼女はひらめいた。水属性魔法の秘薬である惚れ薬を飲ませればいい。 そうすれば彼は自分にだけに愛を注ぐようになるはずだ、と。そして実行に移そうとした。 ところがそのギーシュに飲ませようとしたワインに入れた惚れ薬を誤ってルイズが飲んでしまったのだ。 結果、ルイズは完二に惚れてしまった。 完二に言わせればバカバカしいにもほどがある話だった。 とはいえ、他人事なら首をすくめて終わらせることでも、完二はその当事者となってしまったのだからたまったものではない。 「おいコラ、モン……モンモン」 「ちょっと変な略し方しないでよ」 モンモランシーが抗議の声を上げるが、完二はそれを上回る大声を出した。 「うっせえ!ダレのせいでこーなってると思ってんだ!ああッ!」 モンモランシーは思わず小さくなってしまう。ギーシュが彼女の盾になるように完二の前に立つ。 「やめたまえ、ぼくの彼女に無礼な真似は……うぐ」 完二はギーシュの襟首を掴んだ。 「テメーのせいだろうが!またシメっぞ!キュッとシメっぞ!」 かっこつけておきながら以前の再現のように再び吊るされるギーシュ。そんなギーシュを救ったのはルイズであった。 「ねえ、カンジ……。モンモランシーたちとばかり話をして……わたしといても楽しくない……?」 今にも泣き出しそうな目でルイズは完二を見上げている。 モンモラシーというよりは今はギーシュと話しているというか、そもそも話すらしていなように思えるが、 ルイズにはどうやらモンモラシーと楽しくおしゃべりをしているように思えたらしい。 見つめるルイズに完二も及び腰になってしまう。 ギーシュを掴んでいる手を離して弁明をする。ギーシュは尻餅をついてゲホゲホと咳をした。 「い、いや、んなこたあねえよ!」 「わたしと一緒はつまらなくない?」 潤んだ目のまま、小首をかしげながら言う。 「お、おう。つまらなくなんかねえよ」 「ありがと、カンジ……」 しがみついていた完二の腕をぎゅっとルイズはより強く抱きしめた。 ルイズの視線が完二の顔から外れたので、完二は射殺すような眼光を元凶たる二人のカップルに投げつけた。 このような茶番は当然ながら完二の望みではないのだ。 凶暴な視線を浴びせられたモンモランシーは慌てて言った。 「だ、大丈夫よ!薬の効果はそのうち切れるから!」 「そのうちっていつだよ?」 「一ヵ月か……一年後か……」 いぶかしげに尋ねた完二に対してモンモランシーは視線を泳がせながら言った。 「んなに待てっか!」 大声を出すとルイズはビクッと震えた。 「か、カンジ、もしかしてわたしが抱きついたりするの迷惑?わたしのこと嫌いになっちゃった?」 それから再び完二はまさしく恋という病にかかってしまったルイズのご機嫌取りを必死にした。 普段の彼なら考えられないほどの献身っぷりだが、今彼はこうする他ない。 なぜならルイズが突然、完二に最初に猛烈に求愛してきた際に 「何不気味なこと言ってんだ……、おかしくなったのか?」 と恋に恋する乙女のハートをナイフでえぐるようなことを言ってしまい、ルイズが大泣きしてしまったからだ。 完二はどうしていいかとあたふたして、泣き止まそうと必死になったし、 そのためにルイズの言うことを聞き、人には言えないようなことをさせられた (その場にいたギーシュとモンモランシーには喋ったらタダじゃおかないと脅しつけた)。 そういうわけで完二は現在、うすら寒い恋愛ごっこをしているのだった。 再びルイズが完二の腕に顔を擦り付けるようになると、完二は再びモンモランシーに問うた。 「で、治す方法は?」 「解除薬があるけど、作るのにお金が……」 「作れ」 「わたし金欠で……」 「二度言わせんなよ」 モンモランシーは懐事情を理解してくれという風に言ったが、完二にはそんなものをかんがみるつもりなどさらさらない。 モンモランシーは予想外にしぶとく言い訳を続ける。 「でも……お金だけじゃなくて、ちょっと手に入らない材料もあるのよ……」 「どーいうこった」 めんどくさそうに完二はモンモランシーの言葉を促す。 「水の精霊の涙が解除薬を作るのに必要なんだけど……、その水の精霊たちと、最近連絡がとれなくなっちゃったらしいの」 「んだ、そりゃあ……。で、どこにいんのかわかんのか、その水の精霊ってのは」 「ラグドリアン湖だけど?」 「んじゃ行くぞ」 当然のように完二が言うと、モンモランシーはえええと驚いた。 しかし再び完二に睨みつけられて「はい……」とがっくりと頭を下げた。残念ながら彼女には拒否権は与えられていなかった。 その彼氏は彼女の肩に手をまわした。 「安心してくれ恋人よ。ぼくもついていくよ」 モンモランシーは、当然よ。とそっけなく言っただけだった。 ちなみに話に参加していなかったルイズはいつの間にか完二の腕ではなく、腹に顔を埋めようとするばかりに抱きついていた。 次の日の早朝に魔法学院を出て、昼頃ラグドリアン湖に完二たち一行は到着した。 その一行とは完二、ルイズ、モンモランシー、ギーシュだけではなかった。 「あら、今の馬車の中に金髪の美男子がいたわ。チラっとしか見えなかったけど」 「キュルケちゃん、金髪の美男子ならキュルケちゃんのすぐ後ろにいるクマよ」 キュルケとクマであった。この二人はルイズの様子がおかしいと悟り完二に話を聞いて今回の旅に同行を決めたのだった。 この二人の耳が早いとか、勘がいいといよりはルイズの豹変っぷりが目立ちすぎていたというのが正しいだろう。 とはいえこの二人以外は謎の巨人を呼び出しギーシュを倒したこわもての完二と 気難しいといってもいいほど気高いルイズの豹変っぷりを恐れて近寄っては来なかったが。 ここまでの交通手段は馬であった。クマは旅行気分なのか、 前回あれほど渋った着ぐるみを脱ぐことをあっさりと了承しキュルケに抱きついていた。 一方、完二は前回の旅以後、馬に乗ることがあってもルイズに情けなくしがみつくことがないように馬術の練習をここ最近かなり真剣にしていた。 しかし、どういうわけか今回も前回同様ルイズの駆る馬に同乗するはめになった。 まだ心もとないとはいえ一人で乗馬する気だったのだが、ルイズが完二と一緒じゃないとやだとごねたためだ。 ルイズは終始ニコニコと嬉しそうだったが、完二にとっては嬉しくもないタンデームシートだった。 後ろに乗せれば何をされるかわかったものじゃないが、手綱を握らせておけば問題ないだろうと完二は考えていたが、 道中の「あ、そんなに抱きつかれたらわたし……」とか「積極的なのねカンジ」という言葉を聞かされるはめになり、どうしようもないほど後悔した。 ラグドリアン湖は巨大な湖でありガリアとトリステインを区切り国境線の一部をもなしている。 「あの平民が言ってたことは本当みたいね。水位が上がってるみたい」 キュルケは膨大な水量を誇る湖を見ながら言った。 あの平民とは道中に会った農業を営むという男だ。 彼の話によると、ラグドリアン湖は最近、急激に水量を増やしてその湖の面積を増やし続けているという。 おかげで農地は水に沈んでしまったと同情話を長々としてくれた。 「あら、どうしてわかるの」 モンモランシーは以前来たことがあるので水位が上がったことには気付いたがどうしてキュルケは気付いたのだろうかと思った。 「家が沈んでるじゃない」 キュルケはその手入れの届いた指でついっと湖面よりさらに下を指差す。 その指につられてモンモランシーは湖の底を見る。 たしかに家がいくつか沈んでいる。いや、水位が上がったのであろうから沈んでいるという表現は正しくないかもしれない。 浸水というにも規模が大きすぎるであろうか。家まるまる全てが水に浸かって、湖面はさらにその上十数メイル、もしかしたらそれ以上だというのだから。 なるほどとモンモランシーが湖を見ているとき、キュルケは自分達以外が話に参加していないだけでなく、そもそもいなくなっていることに気付いた。 「あら、他のみんなは?」 喋っている間は気付かなかったがキュルケとモンモランシー以外は近くからいなくなっていた。 二人はいなくなった4人はどこかと首をめぐらした。その二人の視界に湖でばしゃばしゃと波を立てる金髪白シャツの姿が目に入った。 しかも二人も。 「あー!助けてくれーー!!」 「助けてクマー!!」 ギーシュもクマも必死に騒いでいる。おそらく遊びのつもりで入ったのであろう。 二人は助けを求めているようだが、残念ながらキュルケもモンモランシーも、何やってるの……以上の思いは抱けず助ける気には一歩届かなかった。 さらに首をめぐらし、静謐な湖を波立てる二人の無粋者を視界に外すと、代わりに水際近くに立つカップルの姿が見える。 おぼれる二人の金髪男子とは比較にならないほどラグドリアン湖に映える。 桃色の髪をした少女が大柄な男に喋りかける。 「ねえ、カンジ。この湖畔って避暑地で有名なのよ。ガリアの王族も別荘持ってるって噂よ」 「ああ、そう」 「わたしたちもいつかここに立派な別荘建てましょう。いいえ、立派じゃなくてもいいわ! 二人でいられるなら!夏になったら毎年毎年ここに来るの」 「……いや、あのな。オマエが今、オレのこと好きなのは魔法で……」 「何言ってるのカンジ、そんなわけないじゃない!ううん、たとえ魔法だとしても永遠に解けないはずだわ!」 完二が助けてくれという視線をキュルケとモンモランシーに送ってくる。彼女らはアホらしいし、自分たちが加わっても面倒になるだけだと判断し見守ることにする。 しばらくしたら完二が湖に飛び込み金髪二人組みを救出し始めた。ルイズから逃れられるなら何でも良かったようだ。 ところでギーシュとクマはおぼれているというにはバシャバシャと長く泳いでいたのでたぶんほっておいても自分で何とかしただろう。 ラグドリアン湖に着いたときの騒がしい事件から時間が経ち、今は夜だ。 一行は湖畔にある茂みの中で姿を隠し何かを待ち受けていた。それというのも水の精霊の涙を手に入れるためである。 一行は昼の水の精霊との対話をした。そこで水の精霊の涙を渡してもらえる約束をした。 最近、水の精霊を襲う者がいるらしく、それを撃退すれば涙をくれるとのことだ。 完二としては喋り方は回りくどいし、美しいと言われる外見も「こんなシャドウ、雨の日よく見かけたな」くらいにか思わず、 水の精霊にいい印象は抱けなかったから、わざわざ助けたいとも思わなかった。 そもそも自分で撃退できるが、面倒だから代わりに倒してくれではいまいちモチベーションも上がらない。 とはいえルイズを元に戻すのに必要だというのならしょうがなかった。惚れ薬を解除しない限り完二に平穏は訪れない。 「にしたって水の精霊を襲うって奴は本当来んのかよ」 「水の精霊が言うには前の襲撃者は自分で撃退したけど、そいつの心を読む限りさらに派遣されるかもしれないって話らしいわね」 「かもってなんだよ?」 「知らないわよ、水の精霊が言ったんで、わたしが言ったんじゃないから」 不機嫌そうな完二に不機嫌そうな態度でモンモランシーは応えた。 そこへクマが話に割り込んでくる。 「でもでもいつ襲撃されるかわからないクマよね?」 クマは金髪碧眼で白いカッターシャツを着て片手に手甲をつけた姿である。 質問に返答したのは彼の主だ。 「そうよね。今日じゃなくて明日かも知れないし、ひょっとすると一週間後かもしれないわね」 「水の精霊って気が長いから」 モンモランシーの付け加えた言葉に4人は溜め息をついた。 「なあに、ぼくがいるから安心さ、心配は無用」 「うっせえ、息が酒くせえんだよ」 陽気な声を一人出したのはギーシュだ。完二もこの世界に来てから飲酒量が増えたが、戦闘前に酒とはどういうつもりだろうか。 「景気づけだよ景気づけ」 「……そーかよ」 はあ、と完二は再び溜め息をついた。 そして最後の一人ルイズは完二の学ランをかけられてすうすうと寝息を立てている。 昼間から夕刻までルイズは完二に構ってもらおうと必死だった。 完二の気を引こうと様々な話を振ったり、それに完二が乗り気じゃないと怒ったり泣いたり、完二がキュルケやモンモランシーと話せば嫉妬したりと騒ぎっ放しだった。 それから騒ぎ疲れて夕方を過ぎたころには寝てしまった。今のルイズの調子では待ち伏せも出来ないので寝てくれて助かったというのが正直なところだった。 寝る前にキスしてとか、さすがにそこまでしてやる義理はないと完二が断ると喚き出したり、代わりに寄り添ってルイズが寝てやるまで待たなければいけなかったりと完二としては一苦労も二苦労もあったわけだが。 「それにしてもカンジ、ルイズちゃんにせっかくアプローチされてたのに全く嬉しそうじゃなかったクマね」 「うむ。そういえばそうだ。ルイズも性格はあれだが顔はいいじゃないか」 クマが疑問を呈するとギーシュも同調した。 「テメーらな……いつものルイズ知ってんだろ?知ってりゃ、あんなの気持ちワリーだけだっつの。 だいたいありゃあ薬でああなってるだけだ、ホントの気持ちじゃねえ。そんなヤツにナニもできるわけねえだろ」 「さすがカンジ、立派クマ」 「さすがぼくを倒した男」 勝手な質問をした二人は勝手に頷いていた。 その同じ動作にも完二は二人がよく似ていることに気付かされる。 金髪で白いシャツと黒いズボンをはいていて外見も似ているし、どちらも女好きだ。 昼間に湖に飛び込んでおぼれると二人して騒いでいた時は生き別れの兄弟かと疑った。 モンモランシーが二人の話に乗ってきて一つ尋ねる。 「じゃあ、本当に好きになってくれたら嬉しいの」 「なんでそういう話になんだよ……」 「いいから、いいから」とキュルケも促す。 二人とも興味津々と言った様子だ。とはいえ完二には恋愛話が好きな少女たちの欲求を満たせるような回答は持ち合わせていなかった。 「別に。タイプじゃねーしな」 ドライな答え方にその場にいた全員が苦笑する。 ルイズを女子と見ることはほとんどないけれど、完二は朴念仁ではない。 かつては女性恐怖症のようなものであったがそれも克服した。以後、完二は男子高校生らしい女性への興味を有している。 なのにハルケギニアでも有数の美少女といえるルイズにたいして全くグラっと来ないのは、完二自身が言ったようにタイプじゃないからだ。 黒髪美人、健康的なスポーツ少女、そして大人びたボーイッシュな少女と言ったように完二の好みのタイプは狭くはないのだが なぜかルイズはその枠内に収まっておらず恋愛対象に見ることが出来ないのだ。 その理由は完二にもわからない(そもそも完二はそんなこと考えたことがない)。 性格かもしれないし、案外ひょっとすると声だったりするのかもしれない。 キュルケが突然、人指し指を顔の立てた。そして鋭く、しかし静かに言った。 「しっ、来たわよ」 キュルケが茂みの中からラグドリン湖のほうを指差す。 その指先には湖面を前に二人が立っていた。どうやら無駄話をしている間に来たようだった。 「あいつらがか?」 「そうじゃなきゃ夜中に男二人が湖のほとりを歩く?」 キュルケが見るところあの二人は男らしい。 一人はその巨体から男だと判断できるが、もう一人は帽子をしていて巨漢の男に比べて小柄に見える。 とは言っても隣に立っている男が大きすぎるだけのようだが。 「それに……あの二人、そうとうな使い手よ……」 「わかんのか?」 「まあね」 襲撃者を見つけたので事前に決めていた役割どおり動くことにした。 完二とクマがあの二人と直接戦い、ギーシュとキュルケが援護である。モンモランシーは戦えないらしいのでルイズを守ってもらう。 戦いの始まりはギーシュの先制攻撃で開始された。背後を見せていた二人のメイジに大きな土の手が足を掴もうとした。 しかし、それを察知したのか、二人は素早く飛び退き回避した。そこへキュルケの二つの巨大な炎の玉がそれぞれへ放たれる。 普通の人間なら反応の難しい速さとタイミングだったが二人はあっさりと回避する。 二人は魔法の飛んできた方向へ駆けた。そして完二とクマが飛び出して二人を遮る。 完二とクマは初めて二人の襲撃者と対面した。 巨漢の男は予想以上に鍛えられた体であることが分かった。筋骨隆々で杖が握られていなければ魔法使いと分からないだろう。 もう一人の男は予想以上に若かった。少し上向いた鼻が愛嬌を放っておりトリステイン魔法学院になんなくなじむような坊ちゃん顔だった。 「なにもんだ、テメーら」 「おいおい何者だってそりゃこっちの話だろ、なあドゥドゥーよ」 「そうだよね、ジャック兄さん。君らこそ何者だよ?」 すごむ完二を襲撃者はひょうひょうとして受け流し平然としている。 「ナメてんのか、ああ!」 「大声を出さないでくれ。俺たちは別に怪しいものじゃないさ。ここに来たのも仕事の用事で」 クマが発言を遮る。 「水の精霊を攻撃するクマか」 クマの発言を聞き、互いにジャック、ドゥドゥーと呼び、呼ばれた二人は顔を見合った。 「なんで知ってるんだ、こいつら?」 「さあ、ぼくが知ってるわけないじゃん」 彼らは敵が目の前にいるというのにまるで緊張感なく会話をしている。 ジャックは頭をぽりぽりとかいて言った。 「もしかしてお前らってオレたちの仕事をジャマしに来たのか?」 「ああ、そうだぜ」 完二の返答を聞いて、「そうか……」というと二人の襲撃者は杖を構えた。そして言った。 「おれたちは元素の兄弟。まあ、別に覚えなくてもいいよ」 前ページ次ページゼロのペルソナ
https://w.atwiki.jp/lain_36230/pages/84.html
名前:篠宮蒼之 使用サプリメント:ペルソナ バージョン1.11 成長点:0 ○成功要素 パワー11 肉体 パワー12 趣味 パワー13 前向きな自分 パワー14 後ろ向きな自分 パワー15 立場 パワー16 技能・能力 パワー:補正後:成功要素名 :PT :系統:備考 11 :11 :陰がある :その他:― : 12 :12 :小説をよく読む :その他:― : 13 :13 :折れない意志 :精神 :― : 14 :14 :過去に囚われている :その他:― : 15 :17 :冷静なまとめ役 :防御 :B1: 16 :18 :剣道で培った立ち回り:機動 :A1: 17 :20 :基本剣術 :攻撃 :A2: 18 :20 :周りをよく見ている :防御 :B2: ○装備 名称 :カテゴリ:属性:修正 無銘刀 :両手剣 :物理:攻撃×1.2 機動×1.1 ケヴラーベスト:中防具 :― :防御×1.1 ペルソナ:タナトス ○アルカナ:死神 ○能力傾向:オールマイティ ○属性防御:闇耐性 火炎弱点 ○成功要素 パワー33 端的に存在を表わす言葉 パワー36 特徴1 パワー39 特徴2 パワー42 語られる物語 パワー45 特殊能力1 パワー48 特殊能力2 パワー:補正後:成功要素名 :PT :系統:属性・備考 33: 33:死そのものの神格化:攻撃 :― :闇 36: 36:棺状の翼 :機動 :B1: 39: 39:一振りの刀剣 :攻撃 :― :物理 42: 42:冥界への魂の運び手:攻撃 :― :闇 45: 45:冷徹なる剣技 :攻撃 :― :物理 48: 48:死をもたらす闇 :攻撃 :A1:闇 102:102:凝固した死の闇 :攻撃 :A2:闇・2倍指定 54: 54:棺の翼で受け止める:防御 :B2: ○スキル 補正後パワー:スキル名 :カテゴリ:属性・種別 :根拠となった成功要素:備考 17:闇ガードキル :補助魔法:闇・耐性破棄:死そのものの神格化 : 7:闇ブースタ :強化 :闇 :死そのものの神格化 : 47:スラッシュ :物理武技:物理 :一振りの刀剣 : 46:ムド :攻撃魔法:闇 :冥界への魂の運び手 : 54:スラッシュ :物理武技:物理 :冷徹なる剣技 : 53:ムド :攻撃魔法:闇 :死をもたらす闇 : 112:ムドオン :攻撃魔法:闇 :凝固した死の闇 :コスト102 92:死をまとう刀剣:魔法武技:物理+闇 :凝固した死の闇 :コスト102 ペルソナ:ラーズグリーズ ○アルカナ:死神 ○能力傾向:俊敏 攻撃(全属性) ×0.9 防御 ×0.9 機動 ×1.2 ○属性防御:電撃耐性 闇弱点 ○成功要素 パワー:補正後:成功要素名 :PT :系統:属性・備考 33: 33:漆黒の戦乙女 :その他:― : 36: 32:長大な突撃槍 :攻撃 :― :物理 39: 47:黒く染まった翼:機動 :― : 42: 42:計画を壊すもの:その他:― : 45: 54:飛行能力 :機動 :A1: 48: 43:雷を操る :攻撃 :B1:雷 51: 46:飛んで回避 :防御 :A2: 54: 64:急旋回 :機動 :A3: ○スキル 補正後パワー:スキル名 :カテゴリ:属性・種別 :根拠となった成功要素:備考 17:戦の号令 :補助魔法:攻撃強化 :漆黒の戦乙女 : 39:アサルトダイブ:物理武技:物理 :長大な突撃槍 : 21:進撃の号令 :補助魔法:機動強化 :計画を壊すもの : 48:ジオ :攻撃魔法:電撃 :雷を操る : 39:雷の槍 :魔法武技:物理+電撃 :雷を操る : ペルソナ:イザナミ ○アルカナ:死神 ○能力傾向:魔法特化 攻撃(物理属性)×0.8 攻撃(射撃属性)×0.8 攻撃(魔法属性)×1.2 特殊 ×1.2 防御 ×0.9 機動 ×0.9 ○属性防御:火炎耐性 光弱点 ○成功要素 パワー:補正後:成功要素名 :PT :系統:属性・備考 33: 33:黄泉津大神 :精神 :― : 36: 32:穢れの白装束 :防御 :― : 39: 39:見目麗しき女神 :その他:― : 42: 42:生と死を生むもの:攻撃 :A1: 45: 45:八雷神を使役 :攻撃 :― : 48: 48:黄泉の国の炎 :攻撃 :B1: 51: 51:命を生み出す :その他:A2: 27: 27:赤く燃え盛る :攻撃 :B2:演出指定 ○スキル 補正後パワー:スキル名 :カテゴリ:属性・種別 :根拠となった成功要素:備考 43:黒の盾 :補助魔法:闇・弱点補強:穢れの白装束 50:ディア :回復魔法:治癒 :生と死を生むもの 55:ムド :攻撃魔法:闇 :生と死を生むもの 60:ジオ :攻撃魔法:電撃 :八雷神を使役 48:炎雷 :攻撃魔法:電撃+火炎 :八雷神を使役 64:アギ :攻撃魔法:火炎 :黄泉の国の炎 51:黄泉津焔 :攻撃魔法:火炎+闇 :黄泉の国の炎 61:ディアラマ:回復魔法:治癒 :命を生み出す
https://w.atwiki.jp/crpersona3/pages/16.html
リーチ 時計の指針が12時を指して影時間に突入すると、以下のリーチに発展する。 ■ 順平、ゆかりリーチ 流石のテレッテハイワロリーチ。確中ダブルエースの一角。 チャンスアップで順平の剣が洋剣、ゆかりの弓が白と赤の弓。 順平の剣が釘バット、ゆかりの弓がおもちゃの弓だと当確。 順平、ゆかり両方の武器が、当確のレア武器だと確確 外れ後にリベンジモード移行は潜確確定。 ■ 真田、荒垣or美鶴リーチ 確中ダブルエースの一角。 真田 荒垣だと若干信頼度がアップするが、美鶴でもあまり変わらない。 チャンスアップで真田のグローブがセスタス(赤いハサミっぽいやつ)、 荒垣の斧が金斧、美鶴のサーベルが金。 真田のグローブがジャック手袋、荒垣の武器がバス亭、美鶴の剣が鉄パイプだと当確。 真田、荒垣or美鶴両方の武器が、当確のレア武器だと確確。 外れ後にリベンジモード移行は潜確確定。 ■ ペルソナバトルリーチ 通常時はここまで来て、やっと当たりの期待が持てるレベル。 ペルソナモード、タルタロス潜入モード中は勝利すれば確変確定。 最初に主人公が召喚するペルソナによって信頼度が変化。重要。 オルフェウス(ハープを背負った小さいの)<<タナトス(黒くて剣を持ったでかいの) 主人公攻撃時にメサイア(白くてでかいの)召喚で当確。 敵によっても信頼度が変化(あんまり気にしなくていい) 不屈の騎士<均衡の巨人<血のヘカトンケイル 絆が適当に絡んでバトルが進行するが、3ターン目に攻撃するか、4ターン目に発展すれば勝利確定。 風花のセリフが「絶好調~」、仲間キャラの攻撃or防御時に「カッ」(目のアップ) カットインあり(攻撃タイプのキャラは、攻撃が強攻撃に変化)で当確。 ペルソナバトルの敗北後の復活は確確。 (3ターン目に攻撃したり耐えるのはNG。主人公が倒れて左下の数字が止まり、真ん中の数字が再始動した時のみ) 仲間に助けられる(ただの4ターン目、NG) 主人公が耐える、攻撃する(ただの4ターン目、NG) 主人公倒れる(立ち上がれば復活、777揃い確定) リーチ外れから2R潜伏の可能性有。セグをチェックすること。 また、P3のロゴフラッシュの色によっても潜確の期待度が異なる。 白<青<緑<黄<赤<虹(潜確確定?) 時計の指針が12時を指しても影時間に突入しなかった場合、以下のリーチに発展する。 ■ 天田リーチ ロングリーチ。当たらん。 ■ コロマルリーチ ロングリーチ。6リーチで1図柄を止めるコロマルさんかわいいです。 ■ 風花リーチ それなりに当たる。弱予告の救い手。 ■ 復活演出 総攻撃チャンス リーチ外れ後に画面が薄暗くなり、キャラカットイン→総攻撃。確確。 ■ 全回転リーチ チャンス目(女性図柄・7・女性図柄)からのみ発生する確変大当り確定のリーチ。 図柄がバラバラに回転するけど全回転。15R確定ではない。
https://w.atwiki.jp/niconicojikyouplay/pages/1159.html
昔やったゲームを今、実況プレイ( ペルソナ2罪) 【ゲーム】ペルソナ2 罪(PS) 【作者名】M主任 【完成度】更新中(08/08/03~ ) 【動画数】 【part1へのリンク】 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/7827280 【備考】 名前 コメント